1−3で快勝した京都。バドゥ監督は試合後の記者会見を終えると、パープルのニット帽を持ち笑顔でカメラマンの前に立った。後半、それを被ることで「運が舞い降りてきたのかもしれない」という。ただ新指揮官を迎えた京都は運では語れぬほどのパフォーマンスの高さを見せつけた。
もっとも京都の「入りが悪かった」(酒井隆介)のは事実ではある。立ち上がりから北九州は最終ラインの裏を狙ったボールを何度も送り込み、京都の両センターバックは池元友樹、原一樹の両2トップを捉えきれなかった。8分には宮本亨がハーフウェイラインの手前からのロングフィードで池元を抜け出させ、GKオ スンフンと1対1。守護神は池元の右隅を突いたシュートに好反応するも最後は原が詰めて北九州が先制した。古巣相手に「やってやりたいという気持ちがあった」という原の強いハートがゴールを呼び込み、試合は北九州に傾くかに思われた。
ところが、ここから真価を発揮したのは京都だった。バドゥ監督に言わせれば、「(大黒将志とアレッサンドロの)2人だけではなく、石櫃や比嘉、山瀬、駒井たちが北九州のゴールのほうへ侵入していくシーン」を実際に作ることと、そうやろうとするメンタリティーが「オフェンシブなサッカー」。25分、ついにその場面が現れる。敵陣中央で縦パスを受けたアレッサンドロは右の駒井善成にはたいて自身はペナルティーエリア内へ。駒井はすぐさまそのボールをさらに右へと流すと、石櫃洋祐が拾って右サイドを突き、次第に人数が集まってきたペナルティーエリア内にクロス。これをアレッサンドロがヘディングで合わせ、同点のネットを揺らした。人数を掛けると同時に、長いパスと短いパスを巧みに敵陣の深い位置で組み合わせる。高い意識とコンビネーションの浸透ぶりがうかがえる得点シーンだった。
後半の北九州は風上に立つものの、パスやクリアなどの単純なプレーでミスが目立ち、ゲームを作ることができない。落ち着かない中、61分には京都が逆転に成功する。右からのコーナーキックをニアサイドで大黒が頭で合わせ、ゴールの右方向へと飛んだボールをさらに酒井がヘディングで押し込んだ。京都から見れば「向こうの攻撃も止まった」(バドゥ監督)ゴールだったという。
このあと北九州は渡大生、川島大地を投入。とくに川島は高い位置を取ってドリブル突破を図ったり、ミドルシュートを意欲的に狙ったりと攻撃にアクセントを加える。しかし攻撃のスタートの部分、つまりは切り替えが遅く、北九州が得意とするカウンターに人数を割けなかった。京都が下がったとも言えるが、厳しいプレスやボランチのリスク管理が奏功。北九州は「前線の選手の動き出しは非常にいいものがあった」(柱谷幸一監督)ものの、攻撃の厚みが不足したり、ミスが続いて、アディショナルタイムに川島がバーを叩くシュートを放つ以外に決定的な場面を作ることはできなかった。
京都は終了間際にも工藤浩平のフィードを途中から出場した横谷繁が受けてエリア内に運び、後ろから入り込んだ比嘉祐介がミドルレンジから試合を決定づけるゴール。オフェンシブなサッカーを開幕戦から具現化させてみせた京都が勝点3を手にした。
一方の北九州。3失点については防げるもの、防げなかったものがあり、「一つ一つ潰していかないといけない」(柱谷監督)のは今週必要な作業となる。また、池元は「先制点を取ったあとの自分たちの攻撃の仕方」に難しい面があったとほぞを噛むが、その言葉のとおり攻撃面で課題が残る。早い時間の1点リードを守り抜くのは容易ではなく、さらなる追加点を呼び込むサッカーを展開したい。川島の投入によって攻撃にリズムが出た時間帯があった。そういう選手交代や、選手自身から沸き起こるべきモチベーションで、勝点3を取り得る攻撃を見せていかなければなるまい。
この試合、本城の入場者数は3355人と2年続けてJ2全試合で最少だった。プレビューでも触れたが、今シーズンの北九州はチーム、クラブ、サポーターなど各セクターが「課題」に向き合うことから、「実践」にシフトすべき1年となる。スコアも入場者数も厳しい現実を示したが、この試合で起きた全てのことを踏み台に、一段一段、着実に昇っていこう。あと41試合。シーズンは始まったばかりだ。
以上
2014.03.03 Reported by 上田真之介
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