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中澤 佑二の視点:過酷なコンディションでもハイプレスをかけ続けたことが勝因に。最終節も勝って首位通過を!【ACL 横浜FMvsホアンアイン】

2022年4月29日(金) 13:50

中澤 佑二の視点:過酷なコンディションでもハイプレスをかけ続けたことが勝因に。最終節も勝って首位通過を!【ACL 横浜FMvsホアンアイン】

中澤 佑二の視点:過酷なコンディションでもハイプレスをかけ続けたことが勝因に。最終節も勝って首位通過を!【ACL 横浜FMvsホアンアイン】
次は全北現代との大一番ですね。マリノスらしく、今回はすっきりと勝って首位で通過してほしいですね

激闘が繰り広げられるAFCチャンピオンズリーグ。グループステージ突破を狙うJリーグ勢はアジアの難敵相手にいかなる戦いを見せたのか。DAZN解説陣が鋭い視点で試合のポイントを分析するとともに、次節の見どころを語る。

相手のホアンアインザライが5バックを敷いてきたこともあって、今日もマリノスはちょっと攻めあぐねた印象です。一度目の対戦もそうだったのですが、スペースがないぶん、ボールホルダーがパスの出しどころを探しているシーンも散見されました。

また、センターバックを3枚並べ、中央を固めてきた相手をなかなか最後まで崩せず、得点はどちらもセットプレーからでした。それ自体は悪いことではないのですが、相手の守備陣をおびき出すためにも、もっとミドルシュートを打ってもよかったのではないかと思います。遠目から狙っていけば、敵もそれを警戒せざるをえなくなり、寄せてくるので、前方にスペースが生まれ、そこに走り込む味方にスルーパスを通せるようになるはずです。

前半、渡辺(皓太)選手から永戸(勝也)選手にスルーパスが渡って決定機に繋がったシーンが一度ありましたが、その前にマリノスはミドルシュートを打っていましたよね。

1点目に繋がったPKを仲川(輝人)選手が獲得した場面では、彼のボールの受け方のうまさが際立っていました。それ以外でも、中と外を巧みに突いて、相手に的を絞らせず、脅威を与えていたと思います。その前にもボックス内で倒されて、審判は笛を吹きませんでしたが、VARがないと判断が難しかったのかもしれません。審判の立ち位置からでは、相手のディフェンダーがボールに触ろうとしているように見えたのでしょう。

個人的にも期待している仲川選手は、少しずつ調子を上げているように見えました。自らインターセプトして、そのまま攻め込むような場面もありました。スペースがあると、彼はすごく生きますよね。特に今日のように5バックを敷いてくる相手だと、手数をかければかけるほど、陣形が整って隙がなくなり、崩していくのがさらに難しくなりますから。あのようなショートカウンターで一気に攻めていくのも、仲川選手の良さのひとつですね。

2点目は水沼(宏太)選手の高精度のコーナーキックから、畠中(槙之輔)選手が頭で合わせて決めました。セットプレーからセンターバックがゴールを奪うと、チームも盛り上がりますし、よかったですね。敵地でのこうした大会で得点できたことで、自信に繋がったのではないでしょうか。

この試合で目立ったのは、渡辺選手です。喜田(拓也)選手と縦の関係をつくってパスワークを円滑にしたり、両サイドバックが空けたスペースをカバーする意識も高かったと思います。幅広くディフェンスをしていた一方で、攻撃時にはしっかり前にも出ていっていたし、強いミドルシュートを放ったり、スルーパスを出したりもしていました。攻守に健闘していて、好印象を受けました。

チームの勝因としては、蒸し暑い過酷なコンディションでも、前線から懸命にハイプレスをかけ続けたことが大きいと思います。レオ セアラ選手、マルコス ジュニオール選手、仲川選手、後半から入った宮市(亮)選手、西村(拓真)選手、水沼選手と、アタッカーの誰もが守備の意識を忘れなかった。攻撃の選手なので、ゴールに関与したいはずですが、献身的に守備のハードワークを続けていましたね。それによって、ショートカウンターからチャンスに繋がったシーンもありました。手元にトラッキングデータがないのでわかりませんが、中盤と守備陣も含め、みんなかなり走ったのではないでしょうか。最後尾の守備者としては、前の選手たちが懸命に働いてくれていると、自分の集中力も上がりますし、縦パスへのアプローチにも身が入ります。

ちょっと気になったのは、攻めている時のリスク管理の部分。相手のロングボールにセンターバックが空中で競り合うとき、サイドバックはボールより後ろにポジションを取り、常にこぼれ球のカバーを心がけなければいけません。それができていないと、頭ですらされたボールがサイドの裏に流れ、それにもうひとりのセンターバックが対応してしまうと、中央がガラ空きになってしまう。

マリノスのサイドバックは攻撃に特長のある選手が多いので、前に出ていった後に守備のカバーリングにも精を出すのは、かなり負担が多くなると思いますが、基本的にはディフェンダーなので、守備の責務も全うする必要があります。90分を通して、カバーリングのポジションやラインを揃えることなどを徹底しなければならないのです。それができれば、安定感がより高まると思います。

次は全北現代との大一番ですね。首位のマリノスとしては引き分けでもいいかもしれませんが、それではマリノスらしくない。前回に負けて悔しい思いをしているはずなので、今回はすっきりと勝って、首位で通過してほしいですね。とはいえ、まずは失点しないことが重要になります。0-0で進んでいけば、相手の方が焦ると思いますし。そのなかで、マリノスらしく、ポゼッションを高め、時には速い攻撃を仕掛ける。相手の堅守をこじ開けるには、今日、休んでいたアンデルソン ロペス選手がカギになるような気がしています。よりプレッシャーの強いエリアを個人技で打開できる選手なので、期待しています。

横浜F・マリノス×ホアンアイン・ザライ|ハイライト】


[次節開催情報]
AFCチャンピオンズリーグ2022 東地区グループステージMD6
全北現代モータースFCvs横浜F・マリノス
2022年5月1日(日)23時00分キックオフ(日本時間)
DAZN独占配信

 

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