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野々村チェアマン「サッカーを知ってもらうような露出を、媒体問わず圧倒的に増やしていくということをJリーグとしては成長戦略として考えています」【会見レポート】

2023年3月31日(金) 16:40

野々村チェアマン「サッカーを知ってもらうような露出を、媒体問わず圧倒的に増やしていくということをJリーグとしては成長戦略として考えています」【会見レポート】

野々村チェアマン「サッカーを知ってもらうような露出を、媒体問わず圧倒的に増やしていくということをJリーグとしては成長戦略として考えています」【会見レポート】
JリーグとJリーグオフィシャルブロードキャスティングパートナーであるDAZN Group は3月30日にJFAハウスで会見を行った

JリーグとJリーグオフィシャルブロードキャスティングパートナーであるDAZN Group は3月30日にJFAハウスで会見を開き、2023年から2033年までの11年間で約2,395億円の新たな放映権契約の締結に合意したことを発表した。

JリーグとDAZNは2017年から10年間で 約2,100億円の放映権契約を締結。新型コロナウイルス感染症の拡大によりJリーグが一時中断した2020年には、2017 年から2028年までの12年間で約2,239億円の放映権契約の見直しを行なっていた。

2022年3月には、Jリーグ、DAZNの両法人の体制が変更となり、その後様々な協議が重ねられてきたなか、同年11月にJリーグが新たな成長戦略として掲げた「60クラブがそれぞれの地域で輝く」「トップ層がナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く」という2つの成長テーマの実現に向けて今回契約を見直し、2023年から2033年までの契約を新たに締結することとなった。

契約内容の主な変更点は以下の3つとなる。
①テレビ地上波放送の扱い
テレビ地上波での試合中継をより多く行うことで、Jリーグとの無料での接点を増やしていく。試合以外での露出も圧倒的に増やしながらJリーグファンを増やしていくことで、 DAZN加入者の増加を目指す。
②J3リーグの放映
2024年からDAZNでの放映はJ1・J2リーグのみとし、J3リーグは無料放映も含めて最適な放映形式を検討する。
③より柔軟なレベニューシェアのスキーム
Jリーグの成長に必要な財源を確保しながら、より加速的な成長が実現した場合は、さらなる成長投資が行えるような柔軟な契約・レベニューシェアのスキームを構築。

契約内容の変更についてJリーグ野々村 芳和チェアマンは「テレビの地上波での扱いをより増やしていかないと、新たなファンの獲得はなかなか難しいと僕自身ずっと思っていました。欧米と日本のサッカーを取り巻く環境やメディア環境が違うなかで、今のやりかたではなかなか成長できないんじゃないかという話をずっと重ねてきました」と説明。そのうえで、「DAZNにとってもしっかりとプラスになるような形を目指していくなかで、地上波での放送の枠を増やしていこうということを契約のなかで両者が納得して進めることができるようになった。サッカーを知ってもらうような露出を、媒体問わず圧倒的に増やしていくということをJリーグとしては成長戦略として考えていますので、お互い納得したうえで進めていくということを今回の契約でJリーグとしては獲得できたと思っています」と話した。

DAZN Groupのシャイ・セゲブCEOは「JリーグはDAZNにとってきわめて重要なパートナーであり、今後もJリーグと一緒にいろんな施策に取り組みながら、さらなる成長をしてきたいと考えています」とコメントした
DAZN Groupのシャイ・セゲブCEOは「JリーグはDAZNにとってきわめて重要なパートナーであり、今後もJリーグと一緒にいろんな施策に取り組みながら、さらなる成長をしてきたいと考えています」とコメントした

一方、今回の新契約締結についてDAZN Groupのシャイ・セゲブCEOは「JリーグはDAZNにとってきわめて重要なパートナーであり、今後もJリーグと一緒にいろんな施策に取り組みながら、さらなる成長をしてきたいと考えています。今後もDAZNは日本のスポーツファンの皆様が、サッカーだけでなく、あらゆるスポーツを楽しめるように、投資し続けるつもりです」とコメントした。

またDAZN Japan エグゼクティブ バイスプレジデントである山田 学氏は「ここからさらに11年契約を延長して、より長期のパートナーシップを継続できるようになったということを大変喜ばしく思っています。Jリーグの成長が、我々の成長でもあると確信しています。Jリーグが成長し、それが我々のビジネスの成長につながり、それがまたJリーグの成長に還元されるという形で、いい循環を一緒に作っていきたいと思います」と意気込みを語っている。

Jリーグの成長とは、具体的に何を指すのか。野々村チェアマンは「より多くの人がサッカーに関心を持っていただいて、Jリーグのスタジアムに足を運んでもらいたい。そのためにどういうアプローチをするのがいいのかというところでは、今までも可能性としてはできたんですが、Jリーグとしてそこに投資をしてやれてこれたかと言うと、そうではなかった」と、現状を説明。しかし今回の契約により、Jリーグをより多くの人たちに知ってもらうことが可能となるという。

「これからもっと各クラブに沿った露出を展開していこうとするなかで、DAZNさんとの棲み分けといったところでは、今回いろんな話をさせていただきました。日本はもっと多くの人に伝えていくことをやっていかないと、なかなか成長にはつながらない。欧米と日本との違いを話させていただいて、今回に関しては成長のためにはそういうことも必要だよねということをお互いに認識したうえで契約を変えたということです」

地上波の放送を増やし露出を高めることを目指す一方、今回の契約の焦点のひとつが、DAZNでJ3リーグの配信がなくなること。これについて山田氏は「今年に関してはJ3全試合を引き続きDAZNで配信させていただきますので、今シーズンに関してはまずご安心ください」と説明。

気になる来シーズン以降については「来年以降は今後、Jリーグさんと引き続きお話をするポイントなのかなと思っています。サッカーをもう少し広げたいというところで言うと、Jリーグの試合だったり、コンテンツだったり、ありとあらゆる接点で触れられるタッチポイントを増やしていくことが極めて重要だということを、野々村さんともお話させていただきました。そのトライのひとつとしてJ3がより多くの方に触れやすくなる環境を作るというのが今回の契約変更です。我々は引き続きハイライト番組ですとか、オリジナルの番組もありますので、そういったなかでは当然、J1、J2だけではなく、J3も扱わせていただきたいと思っていますし、いろいろな形でJ3に我々が貢献できるところは最大限貢献していきたいと思っています」と話した。

野々村チェアマンは「全部の試合を地域で見ること、中継することが可能となることから、これからどんどん伸びていかないといけない地域のクラブが、多くの露出をそれぞれの地域で獲得できることに繋がっていくのかなと思っています」と展望を語った
野々村チェアマンは「全部の試合を地域で見ること、中継することが可能となることから、これからどんどん伸びていかないといけない地域のクラブが、多くの露出をそれぞれの地域で獲得できることに繋がっていくのかなと思っています」と展望を語った

野々村チェアマンは「J3が全試合見られなくなることではなくて、今年はダゾーンのプラットフォームの中で全試合見られます。かつ全部の試合を地域で見ること、中継することが可能となることから、これからどんどん伸びていかないといけない地域のクラブが、多くの露出をそれぞれの地域で獲得できることに繋がっていくのかなと思っています」と展望を語った。

来年については「まだ正確なことは言えないですが、ただ全試合を見られる環境を整えることは、100%保証します」と強調。
「それがどこでどう見られるかはこれからですが、特に地域のクラブが多いなか、これからもっともっと仲間を増やしていかないというなかで、今のままのスタイルでやるよりは、全試合見られるプラットフォームを用意した上で、地域での地上波の中継をよりやりやすくするために今回の契約にしたほうがサッカー界のためになると僕は思ったので、こういう着地になりました。実際に地域で中継することは簡単ではないんですけど、そこに対してはJリーグも人もお金も使って、より多くの人にゲームを伝えられるようにトライしていきたい」と意気込みを語っている。

新たに11年の長期契約を結んだことで両者の関係性はさらに強まることになるが、DAZN側はJリーグに対してどのような価値を見出しているのか。これについて山田氏は「当初と比べてもちろん価値は上がっていると思いますし、昨年ワールドカップが日本中で盛り上がり、その中には当然Jリーグの選手もいたわけで、どんどん価値が高まっていくものだと思っていますし、さらに高めていってもらいたいと思っています。ワールドカップもそうですし、WBCもそうですけど、日本中がどれくらいの盛り上がりになるかということをこの半年くらいで強烈な体験をしたと思いますので、そういうものが一過性のムーブメントではなく、日常に戻った時に今週のJリーグを見にいこうとか、DAZN上で友達とチャットしながら見ようとか、そういうところにどうやってつなげていくかが、我々とJリーグさんで取り組むことだと思っています」と話した。

 

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