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今季J1復帰の札幌が初優勝 琉球はパスサッカーで活路を見い出す【総評:JリーグDAZNニューイヤーカップ 沖縄ラウンド】

2017年2月1日(水) 11:55

今季J1復帰の札幌が初優勝 琉球はパスサッカーで活路を見い出す【総評:JリーグDAZNニューイヤーカップ 沖縄ラウンド】

今季J1復帰の札幌が初優勝 琉球はパスサッカーで活路を見い出す【総評:JリーグDAZNニューイヤーカップ 沖縄ラウンド】
久しぶりのJ1復帰を控え、目に見える結果を残した札幌

「プレシーズンの大会とはいえ、やっぱりタイトルがほしかった。うちの若い選手たちには、大きな励みになったはずだから」

最終戦で札幌に2-1と屈し、惜しくも優勝を逃した琉球の金 鐘成監督はそう言って悔しがった。沖縄ラウンドに出場した3チームのうち、所属カテゴリーがもっとも低いJ3のチームながら、彼らの清々しいパスサッカーは多くの地元ファンを喜ばせたはずだ。

富樫 佑太の存在感が光った琉球。水戸に移籍した田中 恵太に代わる新エースとして期待がかかる
富樫 佑太の存在感が光った琉球。水戸に移籍した田中 恵太に代わる新エースとして期待がかかる

初戦ではJ2の千葉を終始圧倒し、3-1と快勝。結果もさることながら、内容も充実していた。スキルフルな中盤がゲームをつくり、サイドバックは迷うことなく攻撃に参加する。昨シーズン13得点を挙げた田中 恵太(水戸へ移籍)の「代わりを務めていきたい」と、新エース宣言をした富樫 佑太の存在も大きい。この時点では、昨年の同ラウンドで2位に終わった地元勢が、上位カテゴリーの2チームを抑えて、優勝するシナリオもあり得るかと思われた。

2試合目には参加チーム中唯一のJ1チームとなる札幌が登場。昨シーズンのJ2を制した彼らには、この大会ではいわば横綱としての戦いが期待されたが、ピッチ上の選手たちからは日々の2部練習での追い込みによる疲労の色が見て取れた。

対する千葉は、ここ2日間を琉球戦で出た課題の修正にあて、チームとしての相互理解が明らかに増していた印象。結果はスコアレスドローに終わり、千葉の優勝はなくなったが、特に後半はいつゴールが生まれてもおかしくないほどに主導権を握っていた。試合後には複数の千葉の選手たちが「監督がミーティング言っていたことを表現できた」と異口同音に言い、明らかに進歩を感じた様子だった。

千葉はフアン エスナイデル新監督のもと新シーズンをスタート。最下位に終わったものの、選手たちは揃って手ごたえを感じているようだ
千葉はフアン エスナイデル新監督のもと新シーズンをスタート。最下位に終わったものの、選手たちは揃って手ごたえを感じているようだ

札幌もその後のキャンプでは、この試合で分かった課題の改善に取り組んだ。それまで「ビルドアップの練習はしていなかった」(河合 竜二)が、翌日からボール回しのトレーニングを取り入れた。その理由を四方田 修平監督は、こう説明する。

「新シーズンのJ1では、これまでJ2で通用していたものが通じなくなるかもしれない。うちは堅守がベースになるけれども、マイボールの時間を長くしていかないと苦しくなるはず。しっかりと守備をした上で、自分たちのボールも大切にする。その両面をテーマにして、取り組んでいきたい」

迎えた琉球戦では、前半は千葉戦と似たような立ち上がりとなり、一抹の不安を残したが、後半からベンチの選手を全員出場させると、見違えるようなパフォーマンスを披露。外から見ていた選手が前半の問題点を見極め、再開後にそれを表現していったことが好結果につながった。追いすがる琉球を振り切った札幌が、この大会で初優勝を飾った。

この時期に大会に参加する難しさはあったかもしれない。しかしどのチームもそれぞれにテーマを持って取り組み、明らかになった課題を再び実戦で修正する機会を得られた。開幕までおよそひと月のこの段階で、真剣勝負ができたことは、3チームにとって意義のあるものだったはずだ。

[ 文:井川 洋一 ]

JリーグDAZNニューイヤーカップ 特集

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