広島も鳥栖も新監督を招聘して新たな体制となった。広島はドイツをはじめ欧州でハイクラスな実績を残しているミヒャエル スキッベ監督を招聘し、鳥栖は2018年途中から3シーズン愛媛を指揮し、昨季は山形のコーチを務めた川井 健太監督が就任した。両チームがどんなサッカーを展開していくのか楽しみでならないが、不安感も同居しているのが正直なところだ。
広島はオフの選手の出入りが少なかった。ハイネルが横浜FCへ活躍の場を移したほかは現有戦力の維持に成功したものの、新加入選手は大卒の満田 誠と仙波 大志、ユースから昇格した棚田 遼の3選手で、レンタルバックした野津田 岳人と川村 拓夢がプラスαになる。昨季が得点力に苦しんだシーズンだったことを思えば不安を抱かざるを得ないチーム編成で、何よりミヒャエル スキッベ監督が来日して直接指導を行ってプレシーズンを進めることができず、開幕戦も監督不在のまま迎えることになった。
もっとも、不安材料だけではない。ミヒャエル スキッベ監督とリモートで連係をとりながらプレシーズンのトレーニングをリードしてきた迫井 深也ヘッドコーチは、変化の中で生まれているポジティブな発見も口にする。
「監督が代わって求められることも変わっていくと、いろいろな選手の新たなところが見えてきた。スキッベさんの掲げるところに向かって、高い強度を求めてきたけど、大事なことは相手がどう圧力を感じているか。選手たちの頭の中が少しずつそろってきたので、相手が圧力を感じるようになってきていると思う。いろいろな選手に新しい特徴が出てきたなと思っています」 チームとしても、個人としても、開幕戦で新しい姿が見られるに違いない。
鳥栖のオフは激動だった。昨季に金 明輝監督の下で7位の成績を残したチームの面影はなくなったと言ってもいいだろう。主力選手の多くがチームを離れて、19選手が加わってスタートする今季は、川井新監督の下で昨季に築いていたサッカーのスタイルを継続する方針だが、どんな攻守を展開していくのかは開幕戦を見てのお楽しみだ。当然ワクワクも大きいが、同時に不安を抱かずにはいられない。
果たして、新しい広島と新しい鳥栖はどんなゲームを繰り広げるのだろうか。お互いにまだ成長過程にあることは間違いなく、開幕戦もこれからチームが成長していくための1試合と捉えたほうが正しいのだろうが、両チームのファン・サポーターが2022年シーズンを楽しみになるような好ゲームを期待したい。
[ 文:寺田 弘幸 ]