湘南との開幕戦を1-5で落とし、まさかの大敗スタートとなった鳥栖は前節、アウェイでG大阪と対戦。序盤からG大阪の圧力に苦しめられると、後半の立ち上がりにCKから先制を許してしまう。それでも、交代出場の樺山 諒乃介のスーパーゴールで同点に追いつく。その後は互いにチャンスがありながらもスコアは動かず、1-1で試合終了。鳥栖は今季初勝利を挙げることはできなかったが、アウェイから勝点1を持ち帰ることに成功した。
対する名古屋は横浜FCとの開幕戦を新戦力のキャスパー ユンカーのゴールで勝ち切ると、前節はホーム開幕戦で京都と対戦。きっ抗した展開の中で62分に前線のコンビネーションから永井 謙佑に得点が生まれると、この1点を最後まで守り切り、2試合連続のウノゼロ勝ち。試合後には長谷川 健太監督も「キャスパーと謙佑と、マテウス(カストロ)は練習からずっと組ましてはいるので、それが自然に実際のゲームで頻繁に出てくるようになると、さらに攻撃の厚みや意外性が増してくると思います。この2戦目でああいう形で得点が生まれたのは非常に大きかった」と話している。従来の堅守はそのままに、攻撃においても着実な進化が見られている。
鳥栖にとって、この一戦で最大限に警戒したいのはカウンターだろう。開幕の湘南戦、前節のG大阪戦とカウンターからピンチを招く場面が頻発。「まずは相手にカウンターをやらせないというところが改善点」と原田 亘も話す。ただ、カウンターを恐れるあまり、ビルドアップで安全にボールを動かすばかりになっては鳥栖の持つ良さは出せない。もちろん、チームとしてもそういう構えを見せるつもりもない。川井 健太監督も「怖がらずにわれわれが前に出られるか、得点を取れるか」とゲームのポイントについて語る。しっかりとフィニッシュで終わることができれば、カウンターを浴びる心配もない。鳥栖はあくまでも鳥栖らしく、アグレッシブに前に出ることで名古屋のカウンターを抑えにいく。そのスタンスは変わらないだろう。
名古屋は米本 拓司や稲垣 祥といったリーグ屈指のボールハンターたちがボールという獲物を虎視眈々と狙うが、鳥栖としてはそこをかいくぐらずして、ゴールは見えてこない。中盤での攻防戦もまた、この試合の見どころの1つだろう。
互いにカラーは違えど、明確な武器を持つだけに、どちらが自分たちの武器で相手を上回ることができるか。鳥栖は開幕戦にホームで大敗を喫しただけに、ここでなんとしてもサポーターに勝利を届けたい。名古屋も開幕3連勝となれば、タイトル獲得に向けて大きなはずみがつくことになるだろう。鳥栖の今季初勝利か、それとも名古屋の開幕3連勝か。勝利への強い思いを相手以上に見せることができるのはどちらか。
[ 文:杉山 文宣 ]
