「重要な試合です。相手は1試合少ないので、実質はもしかしたら勝点で並んでいるかもしれない。そういう意味ではまた“シックスポイントゲーム”。大事なゲームになる」 試合へ向けたトレーニングが始まった10日、吉田 孝行監督はそう広島との今節を見据えた。
神戸は今季、JリーグYBCルヴァンカップCグループですでに広島とホーム&アウェイの2試合を戦っている。神戸がリーグ戦に出場するメンバーから大きく変更したのに対し、広島は主力メンバーで対戦。結果はいずれも神戸が敗れ、特にノエビアスタジアム神戸での第3節は0-5という屈辱的な敗戦を喫している。言い換えれば、広島がリーグ屈指の強者であることを神戸はあらためて体感したとも言えるだろう。
ただ、神戸も間違いなく、今季のJ1における強者だ。リーグ戦では第2節で首位に立って以降、一度もその座を譲っていない。積み上げた勝点は『26』で、失点の少なさは広島、名古屋と並んでリーグトップ。得点数26も、攻撃力が代名詞の横浜FMを上回ってリーグトップに立っている。さらに、完封勝利数もリーグ最多の6試合を記録するなど、攻守ともに盤石な戦いぶりだ。
10日のメディア向けに公開された練習には酒井 高徳の姿がなく、広島戦の出場が不透明など懸念材料もある。ただ、誰が出場するかにかかわらず、チームが1枚岩になって試合に挑む姿勢が今季の強さの原動力になってきた。どのようなメンバー編成になろうとも、神戸というチームのオーガナイズが乱れることはない。手ごわい相手撃破へ、集中力は研ぎ澄まされていくことになる。
一方、昨季のJ1で3位に入った広島も、さすがの実力を見せている。
今季は開幕直後こそ2分1敗と勝星に恵まれなかったが、第4節から怒とうの5連勝。第9節でFC東京に7試合ぶりの黒星を喫したものの、続く第10節・C大阪戦を1-0で制し、前節も3-1で福岡の挑戦を退けるなど、神戸と同様に一度も連敗することなく勝点を積み上げてきた。消化試合が1試合少ない中で、首位に肉薄する勝点23の3位タイにつけている。
前線からの激しいプレッシングを持ち味に、ボールを持っても冷静なビルドアップから攻撃を構築していく。仕掛けられるプレーヤー、決定力のある選手、さらに失点の少なさがリーグトップタイの堅守を引っ張る3バックは攻撃力も高い。ルヴァンカップでの神戸戦で名を上げた広島ユース出身のルーキー・越道 草太など、新顔もイキイキとプレーしているのが印象的だ。満田 誠の負傷離脱はいたたまれない出来事だが、チームとして想いを1つに、“首位喰い”に挑むことになるだろう。
互いに守備からアグレッシブに戦い、各プレーヤーの持ち味を遺憾なく発揮していくのが持ち味。ハードワークとクオリティーの両輪が回り続ける、J1でも有数のハイレベルなマッチアップを目撃することになりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
