前節は今季ワーストゲームになってしまった。6分に先制点を許してしまったものの、59分、60分の連続ゴールで逆転に成功した。1-1に追いついてからの数分間は戦況を盛り返せた。しかし70分、田中 駿汰のピンポイントクロスを小柏 剛に頭で合わせられて2失点目。再び受けに回る時間が長くなると、75分、87分にも失点を重ね、終わってみれば2-4という結果になってしまった。
「この状況が続くなら、何かアクションを起こさないと、何かを変えないといけない。自分のプレーが良かった、悪かったは関係なく、そういう姿勢をあえて全体に見せることによって、絶対に議論は起きる。それぞれが自分なのか、人なのかに目を向けるきっかけができると思った」 そう話すのは、試合直後に激昂していた石原 広教。だが「けっこう冷静でした」と、ただただ感情的になっていたわけではなく、悪い流れがズルズル続く状況に歯止めをかけようとし、キャプテンの大岩 一貴へ向かって声を荒らげた。
翌朝のリカバリー前、石原と大岩は2人で話し合い、その日の練習後、札幌戦に出ていたメンバーとひざを突き合わせた。
「練習から要求して、厳しさを求めていかないと試合に出る。(ソン)ボムグンも『韓国から来て1年目で(言語の壁があるため)どう伝えたらいいか分からない』とか、たくさんの声がありました。それをまだリーグ戦の半分も終えていないタイミングでハッキリできたのは、チームとして良かった」と石原はチームの前進を感じていた。
札幌戦の前に行われた明治安田J1第11節・柏戦のあと、山口 智監督からの「映像を見て話し合え」という指示の下、「このときはこうしたほうが良かった」といった戦術的なことを話し合う時間はあった。だが選手が主体となって本音を語り合った場は、これが初めてだった。そうして迎える今節、ピッチ上にどんな変化が現れるか楽しみだ。
C大阪は前節、アウェイで京都と対戦した。スコアが動いたのは26分。加藤 陸次樹がペナルティーエリア左からクロスを送ると、ニアの奥埜 博亮→相手DF→ポスト→相手GKとディフレクションし、ゴールへと吸い込まれて先制に成功。フォーメーションが[4-4-2]に変わり、先発に抜擢された加藤が期待に応え、このオウンゴールが決勝点に。C大阪が1-0で勝利した。
レオ セアラと公式戦で初めて2トップを組んだ加藤は、「良い部分もありましたし、守備で少しうまくいかなかったところもありました。ただ、それは継続していけば、お互いの関係性は深まっていく」と伸びシロを語っている。
状況は違えど、両チームともに前に進んでいることがうかがえる。ただ、白星を手にするのは1チームだけだ。
[ 文:舞野 隼大 ]
