神戸のハイプレスは前節・新潟戦でも勝利を手繰り寄せる成果を上げた。15分、新潟のビルドアップに相手陣内深くで制限をかけると、鋭く高い位置に出た齊藤 未月がボール奪取に成功。武藤 嘉紀がラストパスを送り、大迫 勇也が鮮やかにゴールを陥れている。
CB本多 勇喜が欠場した新潟戦では、20分にCBマテウス トゥーレルも負傷交代するアクシデントに見舞われた。緊急事態だったが、それを見事に埋めたのは酒井 高徳。左CBに入ってクロスやシュートをはね返し、ボールを持たれる苦しい試合を1-0で制する大きな力になった。勝負強さを見せた神戸は、1試合消化が少ない中で首位・横浜FMを勝点差3で追走し、初のリーグタイトル獲得へ着実な前進を遂げた。
一方、鳥栖の前節も圧巻だった。大雨の影響でピッチ状況が芳しくない中、C大阪に0-1とリードされて折り返した。それでも徐々に持ち前のボール回しの技術を発揮し、64分に堀米 勇輝がゴールを決めて同点とすると、最大の見せ場はアディショナルタイム。C大阪の決定機を切り抜けた直後、カウンターから途中出場の富樫 敬真が決めて、劇的な逆転勝利を収めている。
神戸に敗れた明治安田J1第5節当時、15位と下位に沈んでいた鳥栖だが、第10節・浦和戦の勝利以降、無敗ロードに突入。前々節・浦和戦で8試合ぶりの敗戦を喫したが、C大阪戦で見事なリバウンドメンタリティーを発揮し、8位まで順位を上げた。上位追走へ、2位撃破は最高の追い風となるだろう。
前節はともにチームの士気を高める試合となったが、12日に実施された天皇杯3回戦は明暗が分かれた。
ヤマハスタジアム(磐田)に乗り込んだ神戸は、大迫や武藤らがベンチスタートとなる中、齊藤と川﨑 修平が神戸初ゴールを決めるなど、5-2で磐田に快勝。チームが育む良い流れを着実に継続した。一方の鳥栖は堀米ら一部主力が出場したものの、フレッシュなメンバーで熊本と対戦し、延長戦の末に3-4で敗れた。中3日で臨む神戸戦へ切り替えたい状況だ。
また、昨夏に鳥栖から神戸に移籍した飯野 七聖は「成長させてもらったクラブ」と古巣をリスペクト。その上で「シーズンの途中でヴィッセルに移る決断をして、そういう形でチームを去ってきた。そういう決断をしたからには、しっかりとヴィッセルに行った意味があったんだなって、鳥栖の皆さんに思ってもらえるプレーをしなければいけない」と気合いのコメントを残している。
神戸のハイプレスと鳥栖のポゼッション。前回対戦同様に神戸が圧倒するか、はたまた鳥栖がやり返すのか。アグレッシブなスタイルが持ち味の両者による、一歩も引かないぶつかり合いに注目だ。
[ 文:小野 慶太 ]
