明治安田J1第21節を終えて最下位に沈む湘南は中断期間中、静岡県の御前崎市で4日間のミニキャンプを行った。
「前の選手、後ろの選手が(プレスに)行けるタイミングは違うと思うし、その準備や声がけが主にですね。やはり前の選手が行ける安心感を与えるのが後ろの声がけやコンパクトさだと思う。前に行ってもらうためにも、そういうのを後ろの自分たちがやる必要がある。暑い中で2部練をやって、もう一度原点に戻るじゃないですけど、以前やっていたことを思い出そうとやっていました」(大野 和成)。
今季のリーグ戦で一度もクリーンシートがない湘南は、中断期間中に新しいことにトライしたのではなく、今までできていたことをもう一度思い出せるよう、選手同士ですり合わせを行った。
中断期間明け最初に行われた試合が、8月2日の天皇杯ラウンド16・C大阪戦。12分に大橋 祐紀が獲得したPKを自ら沈め、1点リードするという展開だった。
これまではハイラインの裏を突かれ、連動した守備がうまくできず、失点を喫する試合が続いていたが、1つの生き物のように集中した守備ができていた。
ただ、相手はC大阪だ。守備網をかいくぐってくる場面がときおりあった。そのときは頼れる守護神のソン ボムグンが神懸かり的なセーブで止め、松村 晟怜、KVコルトレイク(ベルギー)から復帰した田中 聡らが必死のカバーリングでゴールを死守した。
試合は90+4分にPKを与えてしまい、それをレオ セアラに沈められて追いつかれる。延長戦でも決着はつかず、PK戦の末に湘南が勝利。J1勢から白星を挙げたのは、4月1日のJ1第6節・G大阪戦以来と、さい先の良いスタートを切った。
PK戦を終えた直後、田中はスイッチが切れたかのように両足をつり、担架でピッチの外へと運び出された。すべてを出し尽くしたこの試合から中2日でリーグ戦がやってくる。
注目は、新加入のキム ミンテとディサロ 燦シルヴァーノ。天皇杯は前所属で出場していたため出場できず、今節がお披露目になるだろう。C大阪戦に臨んだ選手たちはいかに回復できるかが重要になるが、フレッシュな2人が試合のキーを握る。
一方の広島は今節が中断期間明け最初の試合になる。横浜FCと対戦した前節は0-1のまま後半アディショナルタイムに突入。敗戦濃厚となっていた中、柏 好文が相手GKから意表を突いてボールを奪い、90+4分にピエロス ソティリウが同点ゴールを決めた。
「ここから1週間休暇をとって、体調不良からもしっかり回復して、ケガ人も戻ってきた状態で、15週くらい前の状態からもう一度サッカーを展開していこうというところにつなげていきたい」 ミヒャエル スキッベ監督はそう話しており、この夏にはC大阪から加藤 陸次樹を補強。前線に足りなかったタレントを加えて、6試合ぶりの勝利を目指す。
[ 文:舞野 隼大 ]
