鳥栖はこのところ苦しい試合が続いている。前節・札幌戦では相手のマンツーマンディフェンスに苦戦。「マンツーマンで来る相手に対して、個の部分でうまくボールを運べなかった」(川井 健太監督)。川井監督は続けて、「そこで運べないのならばコンビあるいはグループでやっていくべきなのでしょうけど、そのスピード感も今日は少し遅く、長いボールが多くなってしまいました」と反省の弁を述べていた。
49分に先制を許して迎えた83分、中央から守備をこじ開けた河原 創がシュートをねじ込み、同点で試合を終えることに成功。しかし、シュートはわずか2本に終わってしまった。ここまで23試合を終えて30得点というのは、31得点の鹿島と1点しか変わらない。しかし、失点数を見ると鳥栖が『28』で鹿島が『21』と7つの差があり、これが順位に影響している。ボールを保持するスタイルだからこそ、失えばカウンターを受けるリスクは避けられない。ボールを保持しているときの攻撃をどれだけゴールに結びつけられるかが問われている。
成長過程にいるのは鹿島も同様だ。相手陣にボールを前進させる回数は増えてきたが、まだまだゴール前を崩すには至っていない。第21節・FC東京戦、前々節・札幌戦は3得点を挙げたものの、前節は堅い守備を誇る名古屋から1点も奪うことができずに0-1で敗れた。ただ、課題が変わっていることはチームが成長していることのバロメーターでもある。
「今週、押し込んだ相手をどう崩すかとか、どう相手を準備させないで攻めるかとか、チームとしていろいろみんなで話し合って取り組んできている。そういった部分では次のステップに進めたということなんじゃないかなと思います」 最前線で体を張る垣田 裕暉は、次の課題に直面することを前向きに捉えていた。
昨年5月に行われた両者によるJ1第15節で、鹿島が一時は3点差がついたスコアをひっくり返し、さらに鳥栖が追いつくという激闘を見せて以来、この対戦は3試合連続でドロー決着。今年5月の対戦では鹿島が二度のリードを許したが、後半アディショナルタイムに鈴木 優磨がダイビングヘッドでゴールを奪い、同点に追いついている。
「アントラーズはどのクラブも怖がるようなチームになっていかないといけない。同じチームに引き分けるのではなく、勝負にこだわって、アントラーズというクラブは強いんだということを見せつける試合にしないといけない」(垣田) 鳥栖のことをよく知る垣田だけに、そこにしっかり勝てるようになれば次のステップに進めることもよく分かっている。鹿島が終盤戦のリーグを沸かせるためには、ここを乗り越えていかないといけない。
[ 文:田中 滋 ]

