G大阪は前節、広島に0-3で敗れ、今季ワーストの6連敗。横浜FCが湘南に敗れたことで、他力でのJ1残留が決定したが、当然ながら選手たちに満足感はない。
「ホッとはしていないし、満足していない。広島戦は何もできなかったし、それがいまの自分たちの実力」とベテランの倉田 秋は悔しさを隠さなかった。
一方の神戸は前節、ホームで名古屋を2-1で振り切り、クラブ史上初のリーグタイトルを手にした。歓喜の瞬間から約1週間後に迎えるG大阪戦は、“リーグ王者”の肩書きがついて挑む初めての試合でもある。
最終節の結果が順位に影響しない神戸に対して、16位のG大阪は引き分け以下に終われば、他会場の結果次第で17位という屈辱的な順位に降下することになる。形の上では“消化試合”かもしれないが、倉田は「今年優勝したチームに勝って終われれば、少しは気持ち的にもラクになるし、サポーターの方も来年に期待してくれると思う」と、この一戦の意義を語る。
パナソニック スタジアム 吹田に集う多くのサポーターの前でG大阪が見せるべきは、かつての常勝軍団の意地である。
広島戦を含めて、最近の戦いでは失点を恐れて3バックで戦うこともあったG大阪だが、今季の集大成とすべき神戸戦では[4-3-3]に回帰する可能性もありそうだ。
ファン アラーノやGK東口 順昭らが欠場する可能性がある中、カギを握るのは守備陣の耐久力だ。広島戦の結果により、失点数はリーグワーストに転落。リーグ2位の得点数を誇る神戸の強力なアタッカー陣を抑えられるか、一瞬のスキも禁物となる。
「相手はチャンピオンチームで、そこに対して勝ちたいし、来季につなげる上でもこの試合を勝てるかどうかはポイントになる」と話すのは黒川 圭介だ。
神戸の守備の強度や縦に速い攻撃に対して、リスクを恐れることなくボールを動かせるかが、勝点3への道筋になるだろう。
一方の神戸にとっても、アウェイの地に駆けつけるサポーターの前で有終の美を飾りたい一戦だ。
この試合は、大迫 勇也の得点王が懸かった90分にもなる。現在22得点で得点ランクのトップに立っているが、2位のアンデルソン ロペス(横浜FM)との差はわずか『1』。神戸のエースはG大阪戦でも結果を残せるか。
東口が欠場した場合にG大阪のゴールマウスを守るのは、今季公式戦未出場の石川 慧。「僕自身(出場すれば)ひさびさのゲームなので、まずは満員の観客の中でしっかりとコミュニケーションをとりたい」と気合い十分だ。
再び神戸に視線を戻すと、G大阪アカデミー育ちの初瀬 亮は今季8アシストを記録し、2017年から2年間G大阪に所属した井出 遥也も、今季加わった神戸で攻守において成長。“王者”としてかつてのホームに帰ってくる。
試合後に恒例のホーム最終戦セレモニーが控えるG大阪が意地を見せるのか、神戸がチャンピオンチームの誇りを示すのか――。
互いに勝ちたい理由がある最終節となる。
[ 文:下薗 昌記 ]
