福岡は前節、1996年の初対戦から29年目にして横浜FMとのアウェイゲーム初勝利を収めた。準備期間2日で実践した攻撃時[3-4-2-1]から守備時[4-4-2]への明確な可変システムが奏功し、紺野 和也の決勝ゴールで初勝利をゲット。攻撃力の高い横浜FMを相手に安定感ある守備を見せて、2試合連続でクリーンシートを達成したことは収穫だ。しかし、長谷部 茂利監督は「横浜FM戦ではギリギリで守った場面が多かったので、それを少なくすること。そのためにもボールを取る回数を増やさないといけない。攻撃もシュートチャンスが不十分だったので、その回数を増やしたい」と、強敵相手の初勝利に気を緩めることなく、攻守でさらなるレベルアップを求める。
湘南は前節・京都戦、田中 聡のゴールで先制しながらすぐに追いつかれたが、鈴木 章斗の決勝ゴールにより勝点3を手にした。昨季ベースとなった[3-5-2]から今季は[4-4-2]へシフト。そのシステム変更とルキアン、鈴木 章斗という2トップの推進力を存分に生かす攻撃手法への変化も、結果が伴うことでさらなる深化が期待できる。前々節・川崎F戦で1得点、京都戦での2得点はいずれもセットプレー絡みのもので、チームのストロングポイントになっている。一方で山口 智監督は流れの中から得点が生まれていないことを課題の1つに挙げている。
両チームともにここまでの手ごたえを継続することと、課題の改善を形にすることで勝点獲得の可能性が高まるはずだ。福岡は積極的に背後を突く湘南の攻撃をいかに抑えるか。また攻撃からの切り替えが速く、強度の高い湘南の守備をどうやってかいくぐっていくか。湘南は堅さが増した福岡の守備をどう破っていくかがポイント。福岡はセットプレー時の守備も堅いので、2トップの推進力を生かしながら、後方の選手も有機的に絡んで、流れの中の攻撃に厚みをもたせることが必要になりそうだ。
選手個人に目を向ければ、2013年、2014年、2021年、2022年に湘南に在籍した福岡のウェリントンと、昨季までの2シーズンを福岡でプレーした湘南のルキアンに注目したい。2人のブラジル国籍ストライカーはモチベーションが上がる古巣戦で、今季初ゴールを意欲的に狙ってくるはず。ただし、かつてのチームメートたちはそれぞれに2人の活躍をなんとか阻止したいだろうから、2人をめぐるバトルは激しくなりそうで目が離せない。
昨季のリーグ戦の対戦は福岡が2勝。福岡ホームの明治安田J1第5節は小野瀬 康介のゴールで湘南が先制しながら、後半アディショナルタイムに山岸 祐也(現・名古屋)の連続ゴールで福岡が逆転勝利。第21節はドウグラス グローリの決勝ゴールで福岡が制している。
[ 文:島田 徹 ]


