C大阪は前節、アウェイで鳥栖と対戦。前半こそ相手に主導権を握られ、思うような試合運びができなかったが、香川 真司に代わって後半から入ったヴィトール ブエノが開始早々、左足での見事なシュートを叩き込み、先制に成功。来日初ゴールで勢いに乗ったヴィトール ブエノは64分に中央を割る鮮やかなスルーパスを送り、柴山 昌也のJ1初ゴールをお膳立て。期待の新戦力が1ゴール1アシストと結果を残し、チームを連勝に導いた。
ヴィトール ブエノは27日に行われた紅白戦でも絶妙なスルーパスから2アシスト。今節は加入後初先発が濃厚であり、ボールを持った際のプレーには注目が集まる。チーム全体としては、湘南のハイプレスをどうかいくぐって前進できるかがポイント。うまくいかない時間帯があったとしても、焦れることなく試合を進めること。状況によっては下でつなぐだけでなく、背後を狙う浮き球のパスを3トップへ届けることも必要か。また、相手のショートカウンターを誘発させる不用意なパスミスには注意したい。
一方の湘南は前節、ホームで浦和と打ち合いの末、4-4の引き分けに終わった。時間帯によって優劣がハッキリと分かれ、課題と収穫が鮮明になった中、昨季のエース・大橋 祐紀が抜けた前線で、鈴木 章斗と新加入のルキアンの2トップがそろって2得点を奪ったことは明るい材料。失点の多さは気がかりだが、前からのアグレッシブな守備で相手を押し込む迫力は今季も健在。今節も相手を呑み込む圧力を発揮したい。
両チームとも前節は今季新加入の外国籍選手が結果を残し、攻撃に勢いがある点は同じだが、それを支えるアンカーも出色のプレーを見せている。C大阪の田中 駿汰は「攻守に心臓」(小菊 昭雄監督)と言うべきパフォーマンスを披露。ビルドアップの中継地、守備の防波堤として貢献度は高い。湘南の田中 聡は前節で3得点に絡むなど、相手に与える脅威が増している。思い切りの良いプレーが光り、パリ五輪を目指すU-23日本代表としても、25日に行われたU-23ウクライナ代表戦では試合を決定づける2点目を奪った。昨年湘南に復帰して初の公式戦となった天皇杯ラウンド16・C大阪戦では、チームを勝利に導く活躍を見せていた。現在の日本代表のアンカーは、リヴァプールに所属する遠藤 航が務めているが、田中 駿汰と田中 聡はその座を狙えるポテンシャルの持ち主。好調の攻撃陣を支え、自らもゴールを目指す2人のアンカーに注目だ。
桜の開花の季節。C大阪が3連勝で、さらなる上位進出を果たすか、湘南の暴風雨がアウェイで桜を吹き飛ばすか。就任4年目の指揮官に率いられた、前に矢印を向けるチーム同士の一戦、攻守の切り替えが早いハイインテンシティーな攻防に期待したい。
[ 文:小田 尚史 ]


