ケガ人が続く広島だが、それでも強い。前々節・町田戦で守備の要である荒木 隼人が負傷交代。7日に、左大腿二頭筋肉離れで全治4~5週間との診断結果が発表された。前節・湘南戦ではそれまで右ウイングバックでの先発が続いていた中野 就斗が荒木の代わりに3バックの中央で先発し、2-0の無失点勝利に貢献。個々の能力の高さがそのままチームの総合力にも直結している証となった。
広島の強さは本物だが、福岡に勝機がないのかと言えば、そうでもない。明治安田J1第4節・FC東京戦と第5節・浦和戦で複数失点による2連敗を喫したが、前々節・鹿島戦を1-0、前節・名古屋戦も押し込む展開の中でスコアレスドローと、2試合連続で無失点を実現した。
そうして福岡の持ち味である堅守の回復が見られる上に、攻撃面でも明るい材料がある。3月に加わったJリーグ初のイラン国籍選手・シャハブ ザヘディが浦和戦と鹿島戦で連続ゴール、名古屋戦でもクロスバーを叩く惜しいヘディングシュートを放ったほか、周囲との連係アップも確認できている。さらに「まだ点数という形にはなっていないが、少しずつ攻撃のバリエーションは増えている」と長谷部監督が話すとおり、チームで表現する攻撃力の向上も確実に図られている。
福岡は堅く守って失点ゼロでゲームを運べば、スキを突いてゴールを挙げて勝利、という形も見えてくる。試合運びとしては、昨季のJ1最終節、ベスト電器スタジアムでの広島戦と同様であればいいだろう。7倍ものシュートを打たれながら粘り強く耐えて、勝点1の獲得に近づいた展開だ。もっとも、後半アディショナルタイムに荒木に決勝ゴールを許して劇的勝利を献上した結末は変える必要がある。長谷部監督も実現はかなり難しいとしながらも、「去年の最終戦の劇的なやられ方が印象に残っている方が多いと思うが、今度は逆に取れるようにしたい」と、3シーズンぶりの広島戦勝利を虎視眈々と狙っている。
また、ここ3試合で先発を果たしている宮 大樹が「広島の実力は十分に承知しているし、非常に強度の高い、非常に難しいゲームになることは覚悟している。そこでいかに賢く相手を上回っていけるかがカギになる」と言えば、豊富な走力を武器に攻守両面での貢献度が高い岩崎 悠人も「広島の守備陣には素晴らしい選手がそろっていて、特に塩谷(司)選手はとても強く、なかなか抜き切れない。手ごわいけれども、それだけやりがいのある選手だし、チームなので、今節が非常に楽しみ」と、強敵相手にひるむことなく、この一戦を前に高揚している感が非常に頼もしい。
ホームの福岡が広島に今季初の黒星をつけるのか、それとも広島が負けなしをキープするのか。インテンシティーが非常に高く見ごたえ十分となりそうなこのゲーム、見逃せない。
[ 文:島田 徹 ]


