福岡の長谷部 茂利監督は磐田に対して「新しい選手が加入しているし、2023年は対戦がなかったので、新たな気持ちで臨むことになる。個人の力で勝負するところもあるが、チームとしてもよくまとまっている」との印象を持っている。そして磐田戦のポイントとして「今までと一緒、自分たちにできることをしっかりとやること。個人に負けないようにグループとしてしっかり戦うこと」を挙げている。
長谷部監督がこれまで何度も口にしたことがあるフレーズで磐田戦のポイントをまとめたのは、いまのチームの状態が悪くないからでもあるだろう。明治安田J1第6節・鹿島戦を1-0、前々節・名古屋戦を0-0、前節・広島戦を1-1と、強敵相手の3戦で負けなし、勝点5を積み上げた。しかも、鹿島戦と名古屋戦は無失点に抑え、ストロングポイントである堅守の再現にも成功。そしてリーグ戦で4連敗中だった広島から勝点1を獲得したことで自信も生まれた。
さらに、大幅なメンバー変更を行って臨んだ17日のJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド2回戦・松本戦は、PK戦までもつれ込みながら勝利。これが良い雰囲気をもたらすはずであるし、『ギリギリの戦いを粘り強く戦う』というチームの基本精神をあらためて意識する戦いになったことで、チーム内の空気はピリッと引き締まっているはず。
一方の磐田は第6節・新潟戦を2-0、前々節・京都戦を3-0で制し、今季初の2連勝を達成。しかも、ともに複数得点と無失点であり、攻守にバランスがとれたゲーム内容で好調の波に乗るムードがあった。しかし、前節・名古屋戦を0-1で落として連勝を伸ばせず。しかも、前半終盤で退場者を出して10人で戦うことになった相手から1点を奪えないままの悔しい敗戦。さらに、ルヴァンカップ1stラウンド2回戦・長崎戦では、相手の約7倍となる22本のシュートを放ちながら無得点に終わり、0-1で敗退となった。
公式戦2連敗という視点に立つなら、磐田の流れは良くないように思える。ただ、名古屋戦後に横内 昭展監督は「当たり前のプレーが当たり前にできなかった」、「試合の入りでルーズボールにしっかりと競り合えない。相手ボールになったときにしっかりと寄せられない」と敗因を明確に提示しており、長崎戦後も「1つなかったのはゴールだけ」、「最後はこじ開けるしかないし、最後のクオリティーを出すしかない」と、こちらもフォーカスすべき点を明示。個々の修正、チームの立て直しに向けて迷いなく取り組める空気を指揮官が言葉を通して作っているだけに、再度好調に転じるための契機をこの福岡戦で手にする可能性は十分にある。
ホームの福岡が堅く守りスキを突いて得点を奪うという得意の展開で勝利を狙うなら、この一戦はロースコアのゲームになる予感。そうなれば、ストライカーの働きの重要性が増すことになる。福岡はリーグ戦直近4試合に先発出場する中で3得点を挙げているシャハブ ザヘディ、磐田はここまで7ゴールを挙げて得点ランク首位に立つジャーメイン 良に注目。同時に彼らをいかにして抑えるか、両チームの守備陣の対応もこのゲームの見どころとなる。
[ 文:島田 徹 ]


