現在4連勝中のG大阪は直近の7試合を6勝1分で乗り切っており、3位。一方、神戸は前節で川崎Fを1-0で振り切って4試合ぶりの勝利を手にし、わずか勝点1差で4位につけている。
開幕前、7位以上を目標に掲げ、まずはチームベースを固めることに主眼を置いてきたが、中谷 進之介や鈴木 徳真ら新戦力がフィットし、エースの宇佐美 貴史が待望の完全復活。前節・柏戦の勝利により昨季1年間で手にした勝点34に到達したG大阪にとって、上位進出はもはや現実的かつ、目指すべき目標である。
神戸と並ぶリーグ最少失点を支える中谷も言う。「目標はもう7位以上でなく、3位以上。ACL出場権は絶対に取りたい」。
前年王者である神戸との戦い以降も鹿島、町田との上位対決が待つG大阪にとっては、今季の行く末を占うことになるビッグマッチの連続となる。
2-1で勝利を収めたものの苦戦を強いられた柏戦は、相手のプレスを過度に意識し、ウェルトンと山下 諒也の両ワイドに頼った縦一辺倒の攻撃に走りがちだった。「組み立てるのか、裏を取るのかをハッキリさせないといけない」と、福岡 将太も遅攻と速攻の使い分けを課題に掲げている。ハイプレスなど攻守に強度が高く、前線にタレントをそろえる神戸との戦いを前に、つなぎの部分で課題が出たことはむしろポジティブに捉えるべきだろう。どのような修正を図ってきたか注目したい。
攻撃で圧倒する力はまだないが、いまのG大阪の強みはピッチに立つ全員が泥臭く勝利に向かうメンタルを兼ね備えていることだ。
メッセージ性のある守備でもチームを引っ張る宇佐美も、「いまのチームのキーワードは“熱量”。メンタル的な部分が大事になる。(神戸は)今までよりももっとメンタル的なものをたぎらせないと勝てない相手。そこで上回れば、ベーシックなところでも上回れる」と戦う姿勢の重要性を口にする。
その上で、宇佐美の質だけでなく剛のウェルトン、速さの山下など多彩な攻撃陣を生かしたい。しかも神戸戦からは負傷が癒えたファン アラーノもベンチ入りの可能性があり、前年王者の前線に引けをとらない顔ぶれで真っ向勝負を挑むつもりだ。
一方の神戸も、G大阪戦以降は町田、鹿島との上位対決が待ち受けており、現在首位につける町田との戦いを前に勝点3が欲しいところである。「この6月は本当に踏ん張りどころだと思うし、どれだけ上位陣から勝点3を取れるか」と話すのは吉田 孝行監督。G大阪との直近3シーズンの対戦を振り返ると、5勝1敗と圧倒的に優位なだけに、アウェイでも当然勝利を目指すはずだ。
初瀬 亮や井出 遥也、井手口 陽介にとっては古巣戦でもあるだけに、パナソニック スタジアム 吹田にモチベーション高く乗り込んでくるだろう。
常勝軍団の復権に燃えるG大阪と、連覇に向けてはずみをつけたい神戸。サッカーのスタイルは異なるが、目指すのは両者ともに勝利のみである。
[ 文:下薗 昌記 ]
