2試合連続で引き分けている鹿島だが、ここ10試合は7勝3分と負けなし。それが始まったのが4月末に行われたアウェイでの第10節・G大阪戦だった。仲間 隼斗のゴールで先制したあと、ウェルトンの突破から坂本 一彩に得点を許したものの、後半にスルスルとゴール前に顔を出した濃野 公人が逆サイドからのクロスをゴールへ流し込んで勝点3を手にした。この試合からトップ下に名古 新太郎が定着し、その後、右サイドハーフには師岡 柊生が台頭してきたが、それ以外はほとんどメンバーを替えずに鹿島は戦ってきた。
それに対してG大阪は、第10節・鹿島戦に続き、第11節で福岡にも敗れて2連敗を喫したものの、そこから7勝1分と盛り返し、目下5連勝と波に乗る。前節は神戸との上位対決を制し、その勢いが本物であることを証明した。中谷 進之介と宇佐美 貴史を中心としたビルドアップは安定しており、陣形を変えながら最適な前進の仕方を見つけ出す力を備えるようになった。また、ウェルトンと山下 諒也のスピードを生かした速攻も鋭い。前節は激しい試合を繰り広げ、いくつものピンチをしのぎながらウェルトンのゴールで先制すると、CKから相手のオウンゴールを誘って追加点を奪取。終盤にPKを与えて1点差とされたが、きっちり勝点3を手にした。
試合ごとに存在感を高めるウェルトンについては、前回対峙した濃野にとっても強烈な印象を残した選手だという。
「少し手の内が分かってイメージは湧きやすいです。ウェルトンとの対峙は僕としてもインパクトが強かった。自分が得意なところで戦うのも1つだと思う。チャンスがあったらどんどん前に顔を出して攻めの守備をしたい」 そう言って自ら攻めに出ることで相手に守備をさせたいと展望した。
また、高いラインとコンパクトな陣形を保ち、強度の高い守備で相手から自由を奪いたい鹿島にとって、変幻自在に形を変えるG大阪は捕まえにくい相手だ。鹿島がどうやって陣形を整えてプレスを機能させ、それをG大阪がどうやって回避していくのかも大きな注目ポイントとなるだろう。
今季、鹿島はホームで負けなしが続いている。中盤で存在感を見せている知念 慶は「自分たちのホームでは負けなしで、自信を持って戦えている。臆せず自分たちのサッカーを正面からぶつけて、相手を上回りたいと思います」と意気込む。凱歌を上げるのは10戦負けなしの鹿島か、8戦負けなしのG大阪か。
[ 文:田中 滋 ]

