一方の横浜FMも、公式戦4連戦目の前節・札幌戦をアンデルソン ロペスのPKにより1-0で制して2連勝。複数得点は奪えなかったが、多くの好機を作り出し、何より厳しいコンディションの中で集中力と強度を保った守備によりリーグ戦で4試合ぶりの無失点実現というプラス材料も手にしている。
今季一度目の対戦となった明治安田J1第2節は、後半序盤の紺野 和也のゴールにより福岡が1-0で勝利を収めている。そのゲームを紺野は次のように振り返りながら今節への思いを明かしている。
「一度目の対戦時はまだチームとしての完成度が低く、みんなも不安があったと思うし、実際に探りながらなんとか粘って勝ったという印象。でも、いまは取り組みの成果も出てクリーンシートの数も多いし、得点も取れるようになっているので、一度目の対戦時よりも良い試合ができるのではないかと思う」 実際に町田戦では相手の長所をチームとしてうまく消して納得の勝点1獲得としており、横浜FMのスペシャルな個の能力を抑えられるだけの高い守備組織を備える状況にある。長谷部監督の「マリノスの個の力が優れていることは十分に分かっている中で、われわれは個ではなく組織で結果を取るために何ができるかを考えて試合に臨みたい」との言葉にも自信がのぞく。
福岡の注目選手は町田戦を累積警告による出場停止で休み、コンディション十分、しかも第2節で決勝ゴールを挙げた紺野。「出場停止明けということで、イエローカードの枚数をあまり気にすることなくプレスにも思い切り行ける」と、守備での貢献度も含めて意欲十分だ。
1トップの選手起用も注目点。ここ2試合は守備での貢献度も高いウェリントンが先発出場し、14試合で6ゴールの決定力を誇るシャハブ ザヘディが途中出場。「個人の能力、コンディションやチームメートとのつながり、対戦相手によって変わる戦術を含めて、どちらを先発で起用するのかを決めている」と言う長谷部監督がウェリントン先発、シャハブ ザヘディ途中起用を継続するのか、逆のパターンなのか、それとも同時起用があるのか。今季一度目の対戦時に「普通のことをやって勝てる相手ではない」と話していた長谷部監督とコーチングスタッフの横浜FM戦用に準備する“スペシャルプラン”にも注目したい。
横浜FMは今節が7月14日の第23節・鹿島戦まで続く怒とうの公式戦10連戦の5戦目。札幌戦に続くアウェイゲームであることに加えて中2日と、コンディション的には厳しい状況で今節に臨むことになる。しかし、それを乗り越えられるだけの地力を19日に行われた第13節・広島戦での逆転勝利や札幌戦の勝利で証明している。しかも今季一度目の対戦で福岡に敗れており、シーズンダブル阻止へかなりの気合いが入っているはず。ハリー キューウェル監督もハードな戦いに向けて「このチャレンジに、ドンドン受けて立とうという意気込みでやっていきたい」と、メンタル面の重要性を説いている。
[ 文:島田 徹 ]


