湘南としては勝てば勝点差は『5』から『2』に縮まるが、敗れれば『8』に広がってしまう。そんな一戦を前に、彼らは勢いに乗り始めている。
前節の浦和戦、田中 聡のゴールで1点を先行しながらも、62分と74分にチアゴ サンタナに連続でゴールを決められ、苦しい状況になっていた。
そのまま後半アディショナルタイムに差しかかろうとしていた中で、暗雲を振り払ったのは高卒ルーキーの石井 久継だった。「何回も練習した形だった」場所、角度から自信を持ってシュートを放つと、これが同点ゴールに。勢いを増した湘南は90+2分にルキアンが逆転ゴールを決めて7試合ぶりに勝利。その後、水曜日の天皇杯3回戦では同じJ1勢の東京Vを1-0で下し、公式戦2連勝を飾って今節に臨む。
磐田には前回対戦時、2点を先行しながら2-3と逆転負けを喫した。「同じチームに何回も負けるのは悔しいですし、負け方も情けなく、もったいないゲームだったので、それを取り戻したい思いは僕だけでなくチーム全体にあると思う。相手がいることなので簡単ではないと思いますけど、そこは思い切ってぶつかっていきたいと考えています」と、山口 智監督は今節への思いを口にする。
また、磐田は当時、得点源の1人・ジャーメイン 良が欠場していた。「高さとスピードがある選手がもう1人増えて、前半戦で苦しめられたマテウス ペイショット選手プラス、得点源の選手が帰ってくるというのは(相手)チームにとっても大きなこと。多少アバウトなボールや背後へのボールで違いを見せられると思うので、そういうところに気をつけないといけない」と山口監督は気を引き締める。
磐田は前節、ホームで川崎Fと戦い、終了間際に山田 大記がゴールを挙げて2-2のドロー決着。土壇場で勝点1を得たこの試合で、守護神の川島 永嗣が負傷交代している。そんな窮地で期待がかかるのは、磐田U-18出身で立正大卒のルーキー・杉本 光希だ。
思いがけないタイミングで巡ってきた、J1でのデビュー戦。アップもままならない状況だったが、プレーについて横内 昭展監督からは「ビルドアップも勇気を持ってやろうとしてくれた。練習でやっていることをピッチで出してくれて、本当に難しい状況で素晴らしいプレーをしてくれた」と賛辞が送られた。
先発での出場が予想される今節、杉本は勢いのある湘南の攻撃をシャットアウトできるか。彼がチームの浮上のカギを握っていると言っても大袈裟ではない。
[ 文:舞野 隼大 ]
