湘南の快進撃の始まりは、明治安田J1第22節・浦和戦だった。1-2で迎えた90分、翌日に19歳の誕生日を迎えていた石井 久継が「練習していた形」と話すペナルティーアーク付近からシュートを突き刺すと、チームは息を吹き返す。90+2分にルキアンが決勝ゴールを決めて、3-2と勝利を収めてみせた。
その翌週に行われた前々節・磐田戦はルキアンのハットトリックを含む5得点を挙げ、かつクリーンシートで圧倒。続く中断前最後のゲームとなった前節・G大阪戦は83分、小気味よいパス交換で崩し、最後は左ウイングバックの畑 大雅が先制ゴールを決めて、これが決勝点となった。
好調の要因の1つとして挙げられるのは、CBの攻撃参加だ。3CBの真ん中にはリーダーシップと高い守備力を誇るキム ミンテが構え、両脇は配球面やドリブルでの持ち運びが特長の髙橋 直也と鈴木 淳之介が数的優位を生み出す。そして、自分たちが優位に立てる戦い方を展開。「サイドのストッパーが運んでボールを散らして、ボールをもらってまた中に入れるのは、いまの湘南の強み」と、髙橋も手ごたえを口にする。
懸念点は、G大阪戦で畑と石井が負傷したことと、鈴木 淳之介が今節は累積警告により出場停止であること。ただし、畑が務めていた左ウイングバックには、最近頭角を現し出してきた大卒2年目の吉田 新が、石井のいた2列目には茨田 陽生や山田 直輝といった頼れるベテランもいる。CBも同様だ。「(ビルドアップは)苦手な部分ですけど、トライして自分の引き出しが増えればもっともっとチームの力になれるので、そこは意識している」と、プレーに円熟味の増す大野 和成がスタメン出場から遠のいていた間も自身の幅を広げていた。
チーム全体として勢いが増す湘南が4連勝を狙って、全員が攻撃の意識を持った戦いを見せていく。
一方、第22節・京都戦は0-1で迎えた90+3分に田代 雅也が同点ゴールを決めたが、90+9分に失点を喫してまさかの敗戦となった福岡。前々節・広島戦と前節・東京V戦は0-1で敗れている。
東京V戦後、佐藤 凌我は「前半序盤はかなりボールを動かすことができましたが、ゴールに直結するシーンは少なかった」と振り返り、「ボールの動かし方、それに要する時間とか、ゴールに向かうパワーとか、そういうことをうまくバランスをとりながら使い分ける、変化をつけるということができませんでした」と反省点を口にする。中断期間では「連係の部分と自分たちのサッカーを追求していきたい」と語っていた。
福岡としては今節を“リスタート”の試合にしたい。
[ 文:舞野 隼大 ]
