神戸は前節、ホームでG大阪との上位直接対決に臨んだ。前半アディショナルタイムに大迫 勇也の今季8得点目で先制すると、一時同点とされるが、負傷離脱からの復帰戦となった宮代 大聖が大迫と同じく自身8得点目となるゴールを挙げて勝ち越しに成功。ただ、そのまま勝利をつかむかに見えた90+5分、よもやの同点ゴールを喫してしまい、目の前から勝点2がこぼれ落ちる結末を迎えている。
直接対決を勝ち切れず、試合後には吉田 孝行監督や選手たちから失意の言葉が続々と漏れた。この試合ではチームトップの9得点を挙げる武藤 嘉紀が18分で負傷交代するアクシデントにも見舞われており、山口 蛍や酒井 高徳という支柱がケガで離脱している最中、暗雲の濃度が増したかのような雰囲気も漂った。
それでも、宮代が復帰したことは朗報であり、同じく負傷から戻って直近2試合は先発出場で確かなパフォーマンスを見せている井出 遥也など、選手個々は自身の求められる役割を実行しながら目の前の試合と向き合っている。
井出は「“中間役”として日に日に信頼を得ていると感じるし、アシスト、ゴールという結果を追求していきたい」と意気込み、山川 哲史は「大聖も帰ってきて、前線の競争も熱くなってくる。それは中盤もディフェンスラインも全体で言えること」と“競争と共存”というテーマのポジティブな深化を口にする。
21日の天皇杯ラウンド16・柏戦では大きくメンバーを変更して臨み、1-0で勝利。粘り強く戦う神戸らしい勝ちっぷりを見せている。今節に向けて山口など誰が復帰できるか不透明だが、リーグ戦2試合ぶりの勝点3獲得へ、出場する選手がチームスタイルを存分に発揮してくれることだろう。
一方、悩ましいシーズンを送っているのがアウェイに乗り込む鳥栖。開幕から苦戦が続く中、前々節・浦和戦から木谷 公亮監督が新たに指揮を執っているが、1分1敗といまだ勝利を挙げられていない。20日に中盤で攻守を束ねてきた河原 創が川崎Fへ移籍するなど、今夏には主力が続々と他クラブへ移籍し、あまりにも強烈な向かい風を受けている状況だ。21日には天皇杯ラウンド16で山口に苦杯を喫している。
難しい戦いが続くが、大切なのはどれだけ組織としてまとまりのあるサッカーを実行できるかに尽きるだろう。それを実現するためには、選手個々が戦う姿勢をいかに発揮できるかが大きな焦点。絶えず圧力を掛けてくる神戸に対し、球際で負けず、攻守の切り替えに執着し、組織を維持して辛抱強く勝機をつかみにいけるか。残留圏内の17位・湘南との勝点差はわずか『5』と十分に挽回できる位置にいるだけに、終盤戦へ向けて底力を発揮していく端緒としたい今節となる。
[ 文:小野 慶太 ]
