しかし、チームはますますの苦境にある。前節・神戸戦の終盤に負傷交代となったマリウス ホイブラーテンが全治約4週間の右眼窩壁骨折、鼻骨骨折と診断され、チームを離脱。本職のCBは井上 黎生人と佐藤 瑶大の2人だけという事態になった。ただ、マチェイ スコルジャ監督は冷静に事態を見極める。
「(マリウス ホイブラーテンの不在によって)どのような影響があるのかは、土曜日の試合(今節・C大阪戦)を戦った上で見られると思います。同時に瑶大のチャンスでもあります。練習の中でも彼のハードワークは見ていました。彼がプレーすることはチームにとって強みになるかもしれません」 昨季のJ1ベストイレブンに輝いたCBを欠く状況となり、開幕前は完全な“控え組”だった2人に重責がのしかかる。それでも、明治安田J1第22節・湘南戦以来、約3カ月ぶりのスタメンが濃厚な佐藤は自信をのぞかせる。
「ここ数試合を見て、攻撃の形がイメージできていなかったので、そこに僕が加わることでオプションができればいいかなと思っています。形も大事ですけど、まずは僕が入って解決できたらそれが一番かなと思っています」 空中戦の強さに加えて、ビルドアップ時の強気な選択は佐藤の長所でもある。チームは今月1日の公開練習ではビルドアップのトレーニングを実施。再構築中の難しさをのぞかせながらも、佐藤が起点となる右サイドは比較的スムーズだった。ここ2試合は攻撃が停滞気味なだけに、新たなスパイスとなることを期待したい。
一方のC大阪は、台風10号の影響で延期となっていた第29節のG大阪との“大阪ダービー”を2日に戦い、1-0で勝利。そこから中2日と日程的には厳しいが、大一番を制したことで意気軒昂と“埼スタ”に乗り込むことができる。G大阪戦で3バックの中央に入って守備陣を統率した田中 駿汰は「正直、“完全試合”と言っていいんじゃないかというぐらいのゲームだったと思います」と手ごたえを口にしている。
浦和のマチェイ スコルジャ監督は、G大阪をシュート3本に封じ込めた堅固なC大阪の守備に警戒を強める。
「直近3試合、特にG大阪戦を見ると堅いチームだと言えると思います。(第31節・)湘南戦は途中でシステムを変えましたが、2.5試合(湘南戦のシステム変更後とここ2試合)を5バック(3バック)でプレーしている。この5バックに対してチャンスを作るのは容易ではありません。また、前線には(J1)得点ランク1位のレオ セアラ、アシスト1位のルーカス フェルナンデスがおり、彼らと対峙するのは非常に難しいタスクだと思います」 現状、万全とは言えない浦和にとって難しい相手ではあるが、それだけにホームの利も最大限に生かして勝利を手繰り寄せたい。
「ゴール裏の方たちは、次の試合でも大きな力を与えてくれると思います。FC東京戦では、2失点しながらも常に後押しをしてくれました。ただ、試合が終了した瞬間に静かになったのは私にとって非常に辛い経験になりました。われわれが勝利を届け、彼らが祝うという場面を作ることができませんでした」(マチェイ スコルジャ監督) ホーム連敗は避けなければいけないし、同じ光景を繰り返すわけにはいかない。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
