ここにきて4連勝を挙げ、好調ぶりを発揮しているのが湘南だ。長らく降格圏付近に位置し、もどかしい思いをしていた中で現在は12位。1ケタ順位にも手が届きそうな状況だ。
シーズン終盤となったこの時期は、各クラブが1年を通して積み上げたものをいかに出せるかが重要になる。
「フォーメーションを変えたり、選手を(大量に)補強したりして、博打のように違うことは試さず、僕らは夏からなにも変えずにどんどん上積みをしている」。ベテランの鈴木 雄斗は、自信を持ってここまでのシーズンの積み上げについて語った。
「最後まで走ることや戦う部分、奪いにいけないときの考え方や、ファーストディフェンスは誰が行くかというのはすごく緻密にトレーニングをしたし、話し合うこともしていた。みんなの中での共通理解が増えた」と鈴木 雄斗はそう続けて手ごたえを語る。
「最近はボールを保持するようになった」と言われることが増えた湘南だが、ポゼッションを目的とはしておらず、前線の選手が背後へのアクションを起こすことが前提。そこを使えなかった場合に、手前の選手を使ってボールを握りながら、よりゴールに近づける最適な選択を取り続ける。山口 智監督がどんなときもブレずに落とし込んできたものを選手が存分に発揮できるかが5連勝達成のカギを握る。
ただし、相手は残留に向けて追い込まれている札幌だ。仮に今節敗れ、17位・柏が新潟戦で引き分け以上の結果を残せばそこでJ2降格が決定してしまう。
前節・C大阪戦は9分に青木 亮太のゴールで先制に成功し、1点リードと優位に立って前半を終えた。しかし後半は、「走力、あるいは球際での戦いで上回られていく中で多くの選手の足がつる、止まるなどしてマイボールの時間が少なくなった」とペトロヴィッチ監督が振り返っていたように、相手陣内へうまく押し返せず、追加点を奪えない展開に。すると、85分に失点を喫し、1-1の引き分けに終わった。
この結果について指揮官は「われわれが置かれている状況を考えれば勝点1では足りない。非常に悔しい思いが強い」と捉えつつも、「可能性のある限り、最後まで戦いたい」とすぐに前を向いた。
勝利に向けて全員の目線をそろえ、いかに共通理解を持ちながらプレーできるか。いかに狙いをピッチ上で体現できるかがポイントになる。
そして湘南は、追い込まれて100%以上の力を出してくるであろう札幌に対して優位に立ち続けられるか。自分たちのスタイルを今節も遺憾なく発揮し、さらなる連勝街道を進んでいけるか。その真価が問われる試合にもなる。
[ 文:舞野 隼大 ]
