湘南にとっては約3週間ぶりとなるリーグ戦。その間に湘南をさらに底上げする出来事が2つあった。1つは、ベテラン・山田 直輝の復帰だ。9月のトレーニング中に右ヒラメ筋を損傷したことで離脱していたが、今週から全体練習に戻ってきた。
「このチームで試合ができるのもあと2試合なので、この仲間たちと良い終わり方をして締めくくりたいと思っている。チームの集大成を飾る力になりたい」 山田はそんな思いを抱き、久しぶりの公式戦のピッチで勝利に導くプレーを見せる意気込みを抱く。
もう1つは、U-19日本代表でメキシコ遠征から帰ってきた石井 久継のギラギラとしたプレーだ。U-19日本代表を率いる船越 優蔵監督から「背後への抜け出しやスペースを見つける動きの良さを生かせ」と言われ、10番を背負ってプレーした。湘南に帰ってきても、そこで得た自信と、サッカーを楽しむ気持ちを存分に出し、練習から好調さをアピール。チームにさらなる活力を与えている。
湘南は例年J1で残留争いを強いられてきたため、前節終了時に残留が確定したことで周囲からは消化試合として見られているかもしれない。しかし、山田はこれを否定する。
「智さん(山口監督)はずっと言っていますけど、最初から下を見ているわけではなく、ずっと上を見ていました。残留は決まりましたけど、見ているところは変わっていませんし、力を抜くことはない」 残り2戦で2勝となれば、1ケタ順位でシーズンを締めくくれる可能性も見えてくる。「チームとしての波がなくなって、強い集団になり出している」と在籍9年目のベテランはしみじみと話す。今節対戦する横浜FMは、山口監督体制では一度も勝てていない相手。ここでいまの強さを見せつけ、真っ向勝負で上回りたいところだ。
湘南が3週間ぶりに公式戦に臨むのに対し、AFCチャンピオンズリーグエリートにも参戦している横浜FMは中2日での試合になる。
27日に行われたリーグステージ第5節は、ホームで浦項(韓国)と対戦。相手はサブメンバー中心だったが、41分にアンデルソン ロペスの折り返しをヤン マテウスが逆足である右足で沈めて先制に成功すると、90+5分にアンデルソン ロペスがPKを決めて2-0。そのあとに与えてしまったPKはGK飯倉 大樹がストップし、完封勝利を収めた。
「引いている相手をどう崩すかという点で難しさがあった」とジョン ハッチンソン監督が言うとおり、22本のシュートを打ってPKを含む2ゴールにとどまったことは課題かもしれない。しかし、うまくいかない中でも勝ち切れることを証明できた。
タフなダービーマッチになることが予想される中、強さを発揮するのはどちらか。
[ 文:舞野 隼大 ]
