来る2月15日、開幕の舞台は湘南のホーム・レモンガススタジアム平塚。迎え撃つ相手は、鹿島だ。鈴木 優磨や濃野 公人など個の能力の高い選手たちを擁する陣容に、完全移籍でレオ セアラ(←C大阪)、期限付き移籍からの復帰で荒木 遼太郎(←FC東京)らを迎えたことは、もはや脅威に等しい。「勝ちにこだわるスタイル」と茨田 陽生が評するとおり、悲願のタイトル獲得に向けて初戦から飛ばしてくることは間違いないだろう。
一方で湘南の勝ち目は、「積み上げ」と選手が口々に言うとおり、引き続き山口 智監督の下、多くの同じ顔ぶれで戦えることだ。上福元 直人が「(昨季)終盤戦の戦いで得た自信はある」と話すように、継続した戦いで手繰り寄せた手ごたえは大きい。そこに、鹿島から藤井 智也、川崎Fからゼ ヒカルドと即戦力も加わった。昨季も光った攻撃はさらに推進力を増すことだろう。相対する鹿島が鬼木 達監督を迎えて新たなチーム作りを模索していることからも、安定感を武器に勝点3をもぎ取るイレブンの姿は、決して想像に難くない。
試合の見どころは、強力な鹿島の攻撃に湘南がどう立ち向かうのか。鹿島を率いる鬼木 達監督はクラブイズムを知るOBであり、指揮官としては川崎Fで四度のJ1優勝へ導いた手腕を誇る。前述のように選手層に厚みを加えており、好材料も豊富だ。一方の湘南は、ボランチの田中 聡が広島へ移籍し、その穴を誰がどう埋めるかがポイントとなっている。ダブルボランチの布陣の際に田中 聡とペアを組むなどしてきた茨田 陽生は「正直、チームは(田中 聡に)頼っている部分があった」と振り返る。だからこそ「僕は僕なりのプレーで、周りを引っ張っていけたら」と、意気込みを示している。
10日に行われたJリーグ開幕イベントでは、鹿島の濃野 公人が「昨年を超えていくために、2ケタゴールという目標を立てた(昨季は9ゴール)」と宣言すると、湘南の鈴木 章斗は「昨年に続いて2ケタゴールを取りたい。新しい10番を作っていきたい」と話し、互いの向上心をぶつけ合った。過去の公式戦における戦績を見ると、湘南の12勝に対して鹿島が25勝と分があるが、直近7年のレモンSでの試合に限っては湘南が4勝2分1敗と優勢。2025年の開幕を勝利で飾るのは、多彩なタレントを擁する鹿島か、あるいは積み重ねた自信を礎とする湘南か。開幕にして大一番となる90分間が、いよいよキックオフを迎える。
[ 文:河合 萌花 ]
