直近の第22節、アウェイで福岡と戦った神戸はスコアレスドローで終えた。猛暑の中、序盤から激しい球際の争いが繰り広げられ、フィジカルに特長のある相手にもひるむことなくバトルを展開している。
その中で、ひときわ輝いたのは佐々木 大樹。最前線の起点として矢継ぎ早にボールを収め、味方につなぐ。強さと技を駆使してチームを前に進め、自らも果敢にゴールを狙うなど、大車輪の活躍だった。武藤 嘉紀に加えて大迫 勇也の欠場が続く中、チームトップの7ゴールを挙げる宮代 大聖らとともに神戸をけん引し続けている。
吉田 孝行監督は福岡戦後、佐々木 大樹の奮闘に舌を巻きつつ、「起点になる、競るところから周りのサポートも含めてもっとゴールに速く行かないといけないのは、ハーフタイムにも選手たちには伝えました」と言い、「そこの迫力、スピードがないといけない。今日のような堅い相手を崩すためにそこが足りなかったなと思います」と指摘している。“起点”は神戸自慢の連続攻撃の合図であり、きっかけ。福岡戦では両者ともに長いボールを入れ合う中で選手同士の距離が遠くなる難しい面もあったが、今節は全体のバランスを整え、神戸らしさの体現に挑むのみだ。
一方の広島は、直近の第22節で名古屋に1-2で敗れた。前半のうちに2失点を喫するなど苦戦を強いられたが、怒とうの反撃を披露。最終的には新井 直人が90分に決めたゴールで1点を返すのみで敗戦とはなったが、さすがの粘り強い戦いを見せている。
今季の広島は一時、4連敗を喫して2ケタ順位に低迷するなど苦しい時期もあった。ただ、そこから息を吹き返し、破竹の5連勝を飾って一気に順位上昇を遂げた。そして、6月に入ると柏から木下 康介を完全移籍で獲得。第21節・横浜FC戦で2つのゴールを挙げて鮮烈な印象を残した木下 康介を頂点に、ジャーメイン 良、加藤 陸次樹が並ぶ前線はその練度を高めている。ほかにもヴァレール ジェルマン、前田 直輝ら実力者がそろい、魅力的な攻撃陣を形成。横浜FC戦では、負傷から復帰した19歳の中島 洋太朗が途中出場でゴールを演出するなど、明るい材料も豊富だ。ミヒャエル スキッベ監督の下、名古屋戦からの修正を施し、アウェイに乗り込むことになる。
過去2シーズン、いずれも優勝した神戸に対し、広島は昨季が2位、一昨季が3位。激しいデッドヒートを繰り広げてきた関係だ。その間のリーグ戦の戦績は神戸の2勝1分1敗と、わずかに神戸が上回っている。ただ、リーグ開幕直前に国立競技場で開催されたFUJIFILM SUPER CUPでの対戦では、広島が2-0で勝利を収めた。
互いの生命線は、リーグ最高クラスを誇る攻守のアグレッシブさ。勝利をもって上位チームの背中をとらえるのは、果たしてどちらか。7月2日では唯一の公式戦開催となるため、多くのサッカーファンの耳目を集める至高の夜となりそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
