横浜FMは前節、横浜FCとの“横浜ダービー”に1-0で競り勝ち、アウェイでの同ダービー初勝利を手にした。そして、この一戦のあと、スカッドに大きな変動があった。エース・アンデルソン ロペスはダービーでの決勝PKを置き土産にライオン・シティ・セーラーズFC(シンガポール)へ完全移籍。入れ替わる形で昨季J2得点ランキング2位タイの谷村 海那、イスラエル代表のディーン デイビッド、ブラジル国籍ウインガーのユーリ アラウージョと、即戦力アタッカー3人を補強し、J1残留への態勢を整えた。
横浜FC戦を前後して、戦列を離れていた主力が続々と合流している。前節で復帰したジャン クルードをはじめ、ジェイソン キニョーネス、松原 健、植中 朝日、諏訪間 幸成がすでに全体練習でフルメニューをこなしており、コンディションに多少の差こそあれど、実戦復帰に支障はない。“手札”はそろっており、外国籍の登録5枠の使い方を含め、大島 秀夫監督の手腕が問われる局面となる。
戦力のメドが立った中、今節のポイントに挙げたいのがコンパクトさ。横浜FC戦では前半、序盤から間延びして中盤に広大なスペースが生まれた。今節、出場停止となる主将・喜田 拓也はこう振り返る。
「(中盤がカバーするスペースが)広過ぎる。だからセカンドボールを拾えないし、前もプレスに行き切れない。相手にターゲットが2枚いて、どうしても恐れて先に下がるので、自分の後ろとの距離も遠い。必然的に自分たちボランチが下がると前との距離が開く。ウイングも戻ってこられず、こぼれたボールへの準備は相手のほうが良い。そういった現象が起きるので、前がプレスに行っていないのではなく、前を行かせるぐらい押し上げる必要がある」 戦力が十分でも構造の修正を施さなければ、安定的な勝点の積み上げは望めない。名古屋もロングボールを織り交ぜてくることが想定されるだけに、この2週間でどれだけ改善できたかは注目点となる。
対する名古屋は前節、東京Vとスコアレスドローに終わったが、リーグ戦直近3戦無敗と調子は悪くない。今節は熊本を2-1で下した天皇杯3回戦から中3日の上、長距離遠征が続く。日本代表として東アジアE-1選手権を戦った稲垣 祥とピサノ アレックス幸冬堀尾を含め、コンディションをどれだけ回復できているかは大きなポイントだろう。
連戦2戦目とはいえ、負荷のかかる夏場の連戦。熊本戦で活躍したキャスパー ユンカーや浅野 雄也らをどう組み込みつつ総合力を引き出すのか。横浜FMと同様、名古屋も指揮官のベンチワークがカギを握りそうだ。
[ 文:大林 洋平 ]

