勝負のリーグ終盤戦に向けて、各クラブはこのサマーブレイクを含めた移籍期間で補強に動いている。名古屋は6月12日に期限付き移籍加入したブラジル国籍アタッカーのレレが国際サッカー連盟の規定に基づき、名古屋では2025シーズンの公式戦に出場できないというアクシデントがあったものの、8月4日に東京Vの10番・木村 勇大の完全移籍加入を発表。昨季J1で2ケタ得点を挙げている24歳のストライカーには、ファンの期待も高まっている。
首位を勝点4差で追う京都は、キャプテンを務めていた川﨑 颯太が1.FSVマインツ05(ドイツ)への期限付き移籍を決断したものの、その穴を埋める選手として首位の神戸から齊藤 未月を期限付き移籍で獲得した。大ケガから復帰した今季は出場機会に恵まれていないが、湘南時代の恩師でもある曺 貴裁監督の下でトップパフォーマンスを取り戻すことができれば、クラブを初のJ1制覇に導けるだけの力は持っている。また、ブラジルのクラブから加入したグスタボ バヘットも足元の技術に優れるボランチ。過去の所属クラブでは数々のタイトルを獲得しており、多くのサポーターが楽しみにしていることだろう。
その新加入選手がどういうタイミングで出場するのかというところも注目ポイントになるが(※グスタボ バヘットはまだJリーグに選手登録されていない)、名古屋は今節を皮切りに中2日で公式戦3連戦を戦うハードスケジュールが待っており、この暑さの中で長谷川 健太監督がどう切り盛りするのかにも注目が集まる。
名古屋は数字上ではまだ可能性を残しているとはいえ、リーグ制覇の可能性は低く、連覇を目指したJリーグYBCルヴァンカップも1stラウンド2回戦で敗退。現実的に狙えるタイトルは天皇杯のみだ。水曜日に行われる天皇杯ラウンド16・東京V戦を重視するとすれば、当然今節の疲労は考慮しなければいけないところ。極端に戦力を落とすことはないと思うが、試合展開によってはキープレーヤーを早めに交代させることもありそうで、できれば早い時間帯で先制点、追加点を奪って主導権を握り、有利な状況で交代選手にバトンをつないでいきたい。
名古屋のキャプテン・和泉 竜司は「京都は本当に走って戦うチーム。まずはそこで負けてはいけないし、中2日が続くのでみんなで声を出し合いながら、助け合いながら全員の力を出し切っていかないと勝てないと思う」とこの3連戦を総力戦として捉え、特に最初の京都戦が重要だと語っている。
アウェイに乗り込む京都は6日に天皇杯ラウンド16で町田と戦い、中3日で今節に臨む。この暑さの中でコンディション面としては不利な状況にあるのは間違いないが、逆にゲーム勘は完全に戻っているだろう。注目ポイントはその中でハイプレスを掛け続けて名古屋DF陣に圧力を掛けられるかどうか。コンパクトなライン設定で押し込むことができれば、優位に試合を運ぶことができるだろう。
前回対戦は京都が先制したものの、84分に“名古屋の心臓”・稲垣 祥がおよそ70メートルを走り切り、シュートのこぼれ球を蹴り込んで同点に持ち込んだ。最後の最後まで走り切れるか。そこが勝負の分かれ目になりそうだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
