神戸は前節、ホームに横浜FMを迎えて1-0の勝利。37分に武藤 嘉紀が今季自身初ゴールを奪う。長いリハビリから帰ってきた昨季のJ1MVPが躍動し、大迫 勇也、宮代 大聖らと好連係を披露。守ってはGK前川 黛也が大ピンチを好セーブで切り抜けるなど無失点締め。1-0の勝利の中に、大きな収穫が詰め込まれていた。
ただ、リーグ戦が中断した9月初旬、神戸は悔し涙に暮れた。JリーグYBCルヴァンカップの敗退だ。横浜FCとの準々決勝、第1戦を0-2で落として迎えた第2戦、大迫 勇也のゴールで1-0の勝利を収めるが、2戦合計のスコアで下回り、敗退が決まった。
それでもGK前川 黛也は、「リーグ戦に向けて(第2戦で)勝ったことで切り替えてやれる」と前を向いた。さらに、「Jリーグと天皇杯とACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)もある。しっかりと目の前の一試合に懸けて全力でやりたい」と話したのは本多 勇喜。ルヴァンカップのタイトルは逃しても、神戸には挑み続けるタイトル争奪戦がある。悔しさは全員でかみしめ、全員で乗り越える。不変のスタンスで最高の歓喜へ進むのみだ。
一方の柏は、神戸と対照的なルヴァンカップ準々決勝となった。横浜FMとの対戦となる中、アウェイでの第1戦を4-1で圧勝すると、続く第2戦も1-0で勝利し、準決勝進出を決めている。2試合ではいずれも主力の多くをピッチに送り込み、浦和と福岡を相手に連勝を果たしたリーグ戦の良い流れをそのまま持ち込んだ印象だ。細谷 真大がアメリカ遠征中の日本代表に招集されて不在だったが、第1戦で2ゴールを挙げた垣田 裕暉ら前線の選手たちが躍動し、攻守で盤石の様相を見せている。
両者のマッチアップは、アグレッシブさのぶつかり合いになる。「どっちが敵陣でサッカーするかというのは1つポイントになる」と神戸の吉田 孝行監督は見据える。両者の持ち味は高い位置からの激しいプレス。相手陣地にボールを運び、相手を押し込むことが試合を優位に運ぶ上での絶対条件になるだろう。
柏は今季、夏に広島へ移籍した木下 康介を除くと3得点以上を記録している選手が6名おり、どこからでも得点を奪えるのが大きな魅力だ。柏の“崩し”を警戒する神戸は、今節マテウス トゥーレルが出場停止となるが、左CBや左SBでの出場が想定される本多 勇喜は「柏はFWにもワイドにも良い選手がいる。一つひとつ負けないように意識して、守から攻につなげられればいい」と静かに闘志をたぎらせた。
同勝点で並ぶ両者だが、消化する試合数は神戸が1試合多い。神戸とすれば食らいつきたい、柏とすれば突き放したい一戦だ。12日のフライデーナイト、J1屈指のクオリティーとインテンシティーが交錯する、至高の90分の幕が開く。
[ 文:小野 慶太 ]
