第30節を終えて湘南が19位、川崎Fが7位と、立ち位置は異なれども、土曜日に行われた試合で敗戦を喫している点では、通じるところを持つ。
湘南はアウェイで迎えた前節・名古屋戦、開始9分に警戒していたカウンターから永井 謙佑にゴールネットを揺らされる。これは名古屋側のファウルで取り消されるも、相手の勢いを封じることができず、前半だけで3失点。後半に鈴木 章斗が1点を返すも、それ以外の攻撃が実らずに1-3の敗戦を喫した。
川崎Fは前節、ホームにFC東京を迎えると、23分に遠藤 渓太のゴールで失点。その後の展開も含め、FC東京に舵を取られた前半となった。後半開始から脇坂 泰斗を入れて攻守の安定を図り、好調の伊藤 達哉、終盤にはフィリップ ウレモヴィッチ、小林 悠もゴール前へ迫ったが、ネットを揺らすことはできず。0-1の黒星を余儀なくされた。
冒頭で触れたとおり、両チームともこれ以上の負けが許されない。とりわけ湘南においては、現在14試合勝利なしと厳しい状況で、得失点差はリーグワーストの『-26』。第28節・G大阪戦から3試合続けて3失点以上を喫していることを含めて、限られた時間での立て直しが求められている。
カギを握る選手としては、GK吉田 舜の名を挙げたい。湘南に期限付き移籍で加入したのは7月のこと。しばらくはピッチの外から試合を見守り、9月上旬に行われたJリーグYBCルヴァンカッププライムラウンド準々決勝第1戦・広島戦で加入後初出場を果たした。その試合こそ勝利に貢献するも、直近は複数失点が目立つ。ただ、ここぞという場面でのセービングや、前線への正確なロングキックは何度もチームを救ってきた。
その当人に先日、「客観的にも見られる立場として、湘南に感じる強さと課題は」と問うてみたことがある。すると「勢いがあるのは湘南の良さ」とした一方で、「(相手に)1点入って、みんなのガクッていうテンションの下がり方を感じ取れた。元気を出して、ネガティブなところをはね返せるくらいの勢いをまたつけられたら」との課題を口にした。あいにくこの傾向は、前節にも見られた。だからこそ、やるべきことは明確だ。
その湘南が対峙する川崎Fには、好調の攻撃陣がそろう。伊藤 達哉は前節こそ無得点に終わったが、それまで公式戦6試合連続でゴールをマーク。また、エリソンも直近のリーグ戦4試合で5得点と無類のパワーを持っている。一時戦線を離れていた小林 悠も出場できるコンディションにあり、交代選手を含めて90分間ゴールに迫り続ける展開は想像に易い。湘南はそれをいかに防ぎ、万が一にも先制されようとも、強いメンタルで勝点3をもぎ取れるか。
勝敗だけを見れば目立たないが、キャプテンの鈴木 章斗は8月以降の公式戦でコンスタントに得点を重ねている。二田 理央もホームで行われたルヴァンカップ準々決勝第1戦で決勝点をマークしており、良いイメージでレモンガススタジアム平塚のピッチを踏めるはずだ。残す試合をポジティブに戦うためにも、今節こそは“勝利”にこだわりたい。
[ 文:河合 萌花 ]
