その最初の試合が、いよいよ始まる。昨夏の町野 修斗(ドイツ2部のホルシュタイン・キールへ完全移籍)に続いて、大橋 祐紀が今オフに広島へ完全移籍。得点源を失ったが、センターラインで核となるアンカーの田中 聡がチームに残り、鹿島から期限付き移籍で加入していたCBキム ミンテが完全移籍に移行。昨季は前半戦で不安定な戦いをしたことが最後まで響き、残留争いに巻き込まれた。ただ、シーズン終盤は多くの勝点を積み上げることができ、そのときの多くのメンバーで今季に臨むことができる。山口 智監督がシーズン頭から指揮を執ってきた2年ぶんの土台をブラッシュアップさせ、開幕戦というお披露目の場で昨季以上の戦いを見せられるか。
チームに新たな風を吹かせる存在として期待がかかる選手が、磐田からJ2アシスト王の肩書きを引っ提げて加わった鈴木 雄斗だ。湘南は昨季、J1で5位となる15.3回のクロス数と、同4位となる17.3回のペナルティーエリア脇進入回数を記録していた(いずれも1試合平均の値)と、吉野 智行スポーツダイレクターは明かす。いずれも高い数字を記録した反面、クロス成功率はリーグ9位の21.6%と物足りない数字にとどまっている。その課題を解消する存在として、クラブは鈴木 雄斗にオファーを出した。
「クロスを売りにやってきたわけではない。相手が構えているところにクロスを入れても意味がなく、イヤがられるタイミングで上げなければいけない。僕はそんなにクロスを重視していない」と鈴木 雄斗は言うが、やみくもにクロスを上げないことがサイドからの攻撃を決定機につなげるための秘訣である。緑と青のシャツをまとって戦う初めての試合で、どんなプレーを見せるか。
ホームで迎える相手は、同じ神奈川県内のライバル・川崎F。2月13日から20日にかけて公式戦3試合を戦い、リーグ開幕戦に臨む。
FUJIFILM SUPER CUPでは神戸に1-0で勝利してタイトルを得たものの、AFCチャンピオンズリーグラウンド16では3-2で迎えた第2戦を2-4で落とし、敗退が決まった。メンバーを入れ替えながらここまでを戦い、選手の疲労については「シーズンの最初のほうなので、連戦ではあるがそこまでではないと思っている」と鬼木 達監督は言う。むしろすでにタフな公式戦を三度経験し、試合勘やフィジカルコンディションは良好になっているかもしれない。2021年以来のリーグ王座奪還へ、チーム力を示すための試合にもなる。
[ 文:舞野 隼大 ]
