ホームの町田は前節・浦和戦の結果を受けて、リーグ優勝の可能性が消滅。昨季3位に終わった悔しさを晴らすため、チームはリーグ制覇を見据えて戦ってきたが、優勝を逃したダメージは否めず。また、直近の公式戦であるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ第4節・メルボルン・シティ(オーストラリア)戦では痛恨の敗戦を喫した。「サポーターに(入場料を)返金しなければいけないぐらいの試合だった」と振り返ったのは中山 雄太。またメルボルン・シティ戦後、町田サポーターは「ふがいない試合をした」(望月 ヘンリー海輝)選手たちに向けて、厳しいブーイングで今後の奮起を促した。
なおメルボルン・シティ戦は立ち上がりのオウンゴールに加え、相手の決勝点は後半アディショナルタイムに生まれた。「失点にアレルギー反応を起こす」と話す黒田 剛監督のチームらしくない敗戦を喫したが、下を向いている余裕はない。初のメジャータイトル獲得まであと2勝に迫った天皇杯をつかみ取るためにも、なんとしてもリバウンドメンタリティーを発揮しなければならない。
ケガ人も多く、チーム事情が苦しい町田にとっての追い風は、昨季のJ1昇格以降、FC東京戦は3戦全勝と好相性であること。これまで以上に苦手意識を植えつけることは、翌週の天皇杯に向けたアドバンテージとなり得る。そのため、増山 朝陽は「『町田には何もさせてもらえなかった』という印象を相手に与えるぐらいのゲーム内容をすることで天皇杯に向けても良い流れを作れる」と口にした。
なお第2節での前回対戦から、両者のチーム事情が少々異なっている点も見逃せない。町田側の変化は、昨季までFC東京に在籍していた中村 帆高がケガから復帰し、現在は両ウイングバックを主戦場に貴重な戦力となってきた。FC東京との初対戦のチャンスをケガで欠場したぶんも、古巣戦に対する意欲は強く、「試合に出られたときはチームのためにやるだけ」とチームへの忠誠心を誓う。
またFC東京の注目選手は、今年5月、5年ぶりにFC東京に復帰した室屋 成。元日本代表のサイドプレーヤーにとって、町田の黒田 剛監督は青森山田高在籍時に指導を受けてきた存在だ。それでも、勝負となれば話は別。チームの勝敗を左右する1人として、かつての指導者の前で成長した姿を見せたいとの気持ちは強いはずだ。またメルボルン・シティ戦で同点ゴールを決めた望月 ヘンリー海輝を含めて、両チームのサイドプレーヤーに焦点を絞って試合を観戦するのも、また一興かもしれない。
[ 文:郡司 聡 ]


