C大阪は開幕戦でG大阪との“大阪ダービー”に臨み、90分を0-0で終えた末にPK戦で敗れた。前節・福岡戦は新9番・櫻川 ソロモンが今季のチーム初ゴールを奪うなど、2-0で快勝。待望の今季初勝利をつかんだ。福岡戦は体調不良でアーサー パパス監督が帯同しなかったほか、当初はスタメンで発表されていた畠中 槙之輔が試合前のアップで負傷。急きょ、香川 真司が先発するアクシデントもあった。そうした中での勝利だっただけに、代行として指揮を執ったラファエル ナポリヘッドコーチも、「ボス(アーサー パパス監督)は影響力の強い監督。そうしたボスがいない中でもアウェイで2-0という結果を残せて満足しています」と安堵の表情を浮かべた。
開幕戦ではボールの運び方が課題となった中、前節は香川 真司、喜田 陽のダブルボランチとトップ下の柴山 昌也が相手のプレスをうまく外して前進に成功。「開幕戦はライン間が間延びしていた」(ラファエル ナポリヘッドコーチ)問題を解決した。後ろで組み立てて相手を引き出すことで、両ウイングの阪田 澪哉とチアゴ アンドラーデをスペースに走らせる“疑似カウンター”も効力を発揮。1トップの櫻川 ソロモンにも“生きたボール”が入った。プレスの強度、個々の能力が高い広島に対し、今節も相手の守備組織を破壊する攻撃を繰り出せるかが試される。
今季も“アタッキングフットボール”を追求していくことは変わらないが、より上位を目指すためには昨季リーグワースト3位タイの失点数を喫した守備の改善が求められる中、開幕から2試合連続で無失点に抑えたことはポジティブな材料。得点力が高く、セットプレーも強みにしている広島に対しても、スキを見せないアラートさや粘り強さを発揮できるか。その点もC大阪にとって今節のポイントになる。
今季から新たにバルトシュ ガウル新監督を迎えてスタートした広島は、開幕から公式戦4戦無敗。直近のAFCチャンピオンズリーグエリートリーグステージ第8節・FCソウル(韓国)戦では前半で2失点を喫するも、後半途中から木下 康介とジャーメイン 良の2トップ、その下に鈴木 章斗と中村 草太を並べる攻撃的な布陣を採用。すると後半アディショナルタイム、ジャーメイン 良と木下 康介がそれぞれゴールを決めて土壇場で追いつき、価値ある勝点1を獲得した。
攻撃陣の層の厚さを見せつけた格好となったが、中でも注目は新10番の鈴木 章斗。湘南でプレーしていた昨季、ホーム、アウェイともにC大阪からゴールを奪っており、今節も得点の期待がかかる。
攻撃では一定の成果を出している一方、開幕から公式戦4試合連続で失点を喫している守備の立て直しはテーマになる。プレシーズンで負傷した荒木 隼人がFCソウル戦では先発。前半のみの出場で交代となったが、戦列に復帰したことは朗報だ。FCソウル戦から中4日で迎える今節、3バックの人選にも注目したい。
カップ戦も含めて直近10試合の戦績は広島が7勝3分と圧倒している。広島の優位が続くか、C大阪が流れを変える1勝をつかむか。戦術、デュエル、駆け引き――。どの観点から見ても白熱した90分になること必至の一戦。ぜひ、その迫力をスタジアムで体感していただきたい。
[ 文:小田 尚史 ]


