大型連休中の5連戦。その折り返しとなった長崎戦で、ペトロヴィッチ監督は遠距離アウェイという条件に加え、次に控えるG大阪との大一番も見据え、前々節・岡山戦から先発を総入れ替え。出場機会の少なかった選手たちにチャンスを与え、勝利を託した。
公式戦から遠ざかっていた選手も多く、連係不足から先制を許したものの、前線3人の連動から永井 謙佑が今季初得点となる同点ゴールを奪取。さらに永井 謙佑は後半、相手DFのスキを突いて勝ち越し点も決め、大仕事をやってのけた。終盤にはGKピサノ アレックス幸冬堀尾の好守も光り、不安定さものぞかせながらも、控え組中心の布陣で勝点3を持ち帰った意義は大きい。
「出場時間の少ないメンバーが高いモチベーションで、走ること、闘うこと、規律を守ることを体現してくれた」とペトロヴィッチ監督も称賛。「素晴らしいアクションやコンビネーションはうれしいサプライズだった」と、その奮闘を高く評価した。昇降格のない大会形式だからこそ踏み切れた大胆策ではあるが、そこで得た勝利はチーム全体の底上げという意味でも価値がある。
だからこそ重要なのは、この流れを主力組がしっかり引き継げるかどうかだ。控え組がつないだバトンを受け取り、G大阪戦で結果につなげてこそ、前節の勝利がより大きな意味を持つことになる。
注目はアタッカー陣、とりわけセンターFWの山岸 祐也だ。同ポジションの杉浦 駿吾は長崎戦で先発しており、中2日での連戦となる。19歳の若手の成長は楽しみだが、過密日程やコンディションを考慮すれば、背番号11が長い時間ピッチに立ち、理想を言えばリードを奪った状況で背番号30へバトンを渡したい。
一方のG大阪もまた、過酷な日程の中で奮闘を続けている。AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)を含めた公式戦11連戦の最中にありながら、ACL2では決勝進出、このJ1百年構想リーグでもグループ3位。前節は首位・神戸との直接対決で5得点を奪う快勝を収めている。
宇佐美 貴史や三浦 弦太といった経験豊富なベテランに加え、荒木 琉偉や南野 遥海ら若手も台頭し、世代融合が進むG大阪。中3日で迎える今節はコンディションを見極めながらの起用になりそうだが、首位撃破の勢いは簡単には失われないだろう。
首位・神戸を追い詰めるのは名古屋か、それともG大阪か。前節のターンオーバー成功で総力戦の強みを示した名古屋と、過密日程をものともしないG大阪。上位争いを左右する大一番は、互いに一歩も譲らない白熱の90分となりそうだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
