しかし、44分にジョン マリが福岡復帰後初ゴールとなる先制点を挙げると、58分にはルキアンが公式戦6試合ぶりとなるゴールを挙げ、緊急事態下の福岡が2-0とリード。後半アディショナルタイムには足がつった城後に代わってGK山ノ井 拓己がフィールドプレーヤーとしてピッチに入るという珍しい光景も。その後、神戸が飯野 七聖の右サイドからの折り返しを途中出場の大迫 勇也がヘッドで合わせて1点を返すが、2-1で福岡が先勝を収めた。
福岡はその後さらに新型コロナウイルス感染症陽性判定者が出て、6日の明治安田J1第24節・G大阪戦が中止。今回もコロナ禍の影響は続いており、メンバー構成的にはかなり苦しい状況で臨むことになりそうだ。
しかし、8日の練習後にオンライン取材に応じた長谷部 茂利監督は「人数こそ少ないが、みんな良い表情をしているし、意気込みをすごく感じた」と話している。
つまり、戦力的に苦しい状況だが、クラブ初となるカップ戦ベスト4進出に手がかかっている状況に、選手たちのモチベーションは相当に高まっているということだ。
長谷部監督は準々決勝第1戦の反省を踏まえて、今ゲームでのポイントを次のように挙げている。
「奪ったボールを簡単に相手に渡してしまう場面が多かった。そこはミーティングで取り上げ、こうしよう、ああしようと話をした。できるかどうかは分からないが、トライしたい」 「1戦目で2得点したが、いずれもセットプレーの流れからのもの。次も同じような形になる可能性は高いが、それでも、もっとシュートを打ち、相手ゴールに襲いかかる自分たちが目指しているところを出したい」 一方の神戸も福岡とは違った意味で苦しい状況にある。6日のJ1第24節・C大阪戦は0-3で敗戦。J1第23節・柏戦と準々決勝第1戦・福岡戦を含めて公式戦3連敗中。しかも、この第2戦は柏戦から中3日、中2日、中3日の間隔での4連戦目ということで、コンディション的にも厳しい状況にある。
マテウス トゥーレル、ステファン ムゴシャ、小林 祐希といった新戦力が神戸でのデビューをすでに果たしているが、過密日程の中でどこまで無理が利くのかは未知数だ。
神戸の持ち味はポゼッションをベースにした攻撃力。しかし、GK飯倉 大樹がC大阪戦後に「攻撃と守備が連動していないとダメ。(ボールを)取られてそのまま失点という傾向がある」と現在の課題の1つを挙げている。
戦力的に苦しい福岡が堅守速攻の姿勢をさらに強めてくる可能性が高いだけに、飯倉が言う攻守の切り替えにおけるスピードとポジショニングはベスト4に進むための重要なポイントになりそうだ。
1失点の敗戦でも勝ち抜けが決まる福岡のほうが優位な状況にあることは事実だが、神戸には劣勢を覆せるだけのタレント力が備わる。このゲーム、最後まで目が離せない。
[ 文:島田 徹 ]


