2022年の途中から城福 浩監督が率いている東京Vは、2024年に16年ぶりとなる悲願のJ1復帰を果たした。復帰1年目の昨季を6位で終えたものの、今季は直近4試合で勝利がない。7得点はリーグワースト2位タイで、ここまでの10戦のうち6試合でノーゴールに終わっているなど得点力向上が喫緊の課題となっている。
ルヴァンカップでは3月20日の1回戦でJ3の長野と対戦。延長戦の末にスコアレスで決着がつかず、勝負はPK戦に持ち込まれた。東京Vは最初の2人が失敗するも、そのあとに5人が決めて5-4で勝利。2回戦にコマを進めた。
一方の秋田は就任6年目の吉田 謙監督の下、走力・球際・切り替えを重視した縦に速いサッカーを徹底して積み上げてきた。J1昇格プレーオフ進出を目指してスタートした今季は開幕2連勝を達成するも、その後は守備が崩れて複数失点が続き、順位が降下。ここ3試合は内容が明らかに改善されたが、直近2試合は相手にスキを突かれていずれも敗戦を喫し、険しい道のりが続いている。
3月26日の1回戦では同カテゴリーの愛媛とアウェイで対戦し、2-0で完封勝利。リーグ戦で思うように出場機会を得られていない選手が躍動してリーグ戦の立て直しのきっかけをつかんだ。秋田にとって1回戦と近い状況で迎える東京V戦は、格上相手に自分たちの良さを出せるかが1つのポイントになりそうだ。
秋田の良さとは、前述したとおり走力・球際・切り替えの3要素。ただ、佐川 洸介が古巣の東京Vについて「うまさもあり、球際のバトルの強さもある」と話すように、戦う姿勢を前面に出すという点は共通項。決して一筋縄ではいかないだろう。その証拠にJ2時代の対戦成績は、天皇杯での対戦を含めて東京Vが5勝1分1敗で大きく勝ち越している。
過去7試合を振り返れば、今回も東京Vがボールを保持し、秋田は我慢の時間が続く展開が予想される。とはいえ秋田は昨季の2回戦でJ1湘南を延長戦の末に2-1で撃破した、下剋上の再現に向けて選手たちは闘志を燃やす。高い技術を持つ相手に陣形を前後左右に揺さぶられたとしても、一つひとつのセカンドボールに粘り強く食らいついて前進し、相手陣地での攻撃回数を増やしたい。
編成に目を向けると、近年はチーム間の選手の行き来が活発になっている。2023年には千田 海人が秋田から東京Vに完全移籍。昨季は東京Vから河村 慶人と河村 匠が期限付き移籍で秋田に加入。今季は佐川 洸介が東京Vから秋田に完全移籍で加入した経緯がある。
3月上旬に負傷離脱した千田 海人はすでにリーグ戦でメンバー入りしており、かつてのホームであるソユースタジアムでプレーする可能性がある。佐川 洸介は「古巣戦。得点を決められるように気合いが入っている」と語り、4月14日の練習で強烈なシュートを何本も決めてその言葉を裏づけていた。秋田加入後の初得点で恩返しするために、気持ちを高めて準備を整えている。
[ 文:竹内 松裕 ]

