第1戦をホームで迎える湘南は、8月31日に行われた明治安田J1第28節・G大阪戦でも同じ場所で戦っている。その試合は、2点リードで前半を終えたものの、打ち合いを制すことができずに敗戦。これをもってリーグ戦12試合勝利なしとなり、降格圏を脱することもできなかった。
ただ、確かな収穫もあった。G大阪戦では、ゼ ヒカルド、石橋 瀬凪、二田 理央と3選手が加入後リーグ戦初先発。二田 理央が先制点を挙げたのをはじめ、3選手ともがおのおのの持ち味を発揮した。あいにく石橋 瀬凪はU-22日本代表の活動でチームを離れるため、準々決勝の2試合には出場できない。だが、ゼ ヒカルドのスルーパスや二田 理央のゴールへ向かうパワーは、ルヴァンカップにおいてもプラスに働くに違いない。
対する広島は、8月31日に実施された第28節・C大阪戦で先制を許しながら、後半に木下 康介のゴールで追いついてドロー。大混戦のJ1において、首位を走る京都と勝点差4と、優勝戦線に踏みとどまっている。さらに特筆すべきは、リーグ戦29試合を戦って失点数は『20』と、圧倒的に堅い守りを誇る点だ。C大阪戦でも、GK大迫 敬介がビッグセーブでゴールを守ったほか、後半アディショナルタイムには荒木 隼人が見事なゴールカバーを見せた。荒木 隼人はC大阪戦後に「本当に最後のところで粘り強くやれているところは、いまのチームの失点数だったり、勝点につながっているかなと思っている」との自負を語っている。その大迫 敬介や荒木 隼人らは代表活動によって不在となるが、出場できるメンバーが堅守を体現するはずだ。
こうして見ると、両者の置かれた状況は大きく異なる。ただ、湘南からすると、優勝争いを繰り広げる広島と戦うことが、チームそして選手個人にとっても試金石となり得る。仮にここで活躍する選手が出てくれば、残りのリーグ戦においてもチームに勢いをもたらす可能性が出てくる。
その上で注目選手には、二田 理央を挙げたい。そもそも加入当初から、山口 智監督は「スピードもありますし、何よりギラギラ感がすごくあって、マインドもしっかりしている」と彼を評していた。そして、その取材で指揮官が「非常に若いですけど、パワーを持った選手なので良い影響を与えてくれると思う。それをゲームでも期待したい」と発破をかけると、出場時間を伸ばした矢先のG大阪戦、先制点を叩き込んだのだ。
ただ、広島に目立った死角はないだろう。リーグ戦での好成績に加え、このルヴァンカップでは準々決勝に進出、そして天皇杯も準決勝まで勝ち進んでいる。結果をもって、浮き沈みが少ない今季の実力を証明している。
中島 洋太朗は天皇杯準々決勝後に「今年は多くのタイトルを獲る思いでやってきた」と話した。“3冠”のチャンスを手にする広島を相手に、湘南がどこまで意地を見せることができるのか、第1戦から見ものだ。
[ 文:河合 萌花 ]
