湘南にとってこの連戦は必ずしも悪い流れではなかった。明治安田J1第12節・町田戦では、後半アディショナルタイムの池田 昌生によるゴールで勝利。続く前々節・福岡戦も、スコアレスドローには終わったが、山口 智監督は「後半に関しては自分たちのゲームができた」と評した。
だからこそ、前半の戦い方や得点を奪う術について、短期間ながら対策して迎えたのがG大阪戦だったはずだ。しかし、その対策への期待は開始2分で脆くも崩れ去った。デニス ヒュメットがハーフウェーラインを過ぎたところでボールを収めると、迷いなくゴールへ向かい、あっという間にミドルシュートをゴールに突き刺したのだ。これがG大阪ホームでの出来事というのもあって、スタジアムのボルテージは最高潮に。それに後押しされたG大阪の選手たちは次々に攻撃を仕掛け、湘南の息の根を止めた。
この試合を終え、後半から出場したキム ミンテの一言が鋭く刺さった。「前半が問題なので。正直言って今日はガンバがただ決めてきただけで、町田戦も福岡戦もこういう試合になってもおかしくなかった」という指摘だ。この連戦が悪い流れではなかったというのは、あくまで結果論だったのかもしれない。だからこそ「そういうときにサッカー以外での影響力というか、流れを変えられる選手がいるかどうか」という彼の問題提起が、残りの連戦2試合を戦うカギとなってくる。
さて、その湘南と対峙する広島はどうだろう。そもそも下馬評で優勝候補の一角と捉えられていたクラブは、その評判どおり、第9節・C大阪戦後に2位へ浮上。その試合は前半こそ相手に制圧されながら、後半に修正して逆転勝ち。チームを率いるミヒャエル スキッベ監督も「今日の自分たちが見せたパフォーマンスはすごく誇りに思う、素晴らしい試合でした」と称えた。
ところが、間もなくチームを襲ったのは試練の時。第10節から、岡山、名古屋に競り負けると、名古屋戦後のインタビューにおいて審判員に対して不適切な発言をしたとの事由からミヒャエル スキッベ監督が2試合のベンチ入り停止処分に。悪いことが重なりながらも「勝点ゼロじゃなく『1』でも取って帰ってくることがすごく重要」(川辺 駿)と臨んだ第12節・浦和戦も、0-1で敗れた。さらにホームで迎えた前々節・新潟戦も完封負けを喫すると、4連敗という現実にサポーターからはブーイングが飛んだ。
ようやく晴れ間が見えたのは、前節・福岡戦。67分に加藤 陸次樹が均衡を破ると、86分に追いつかれながらも、後半アディショナルタイムのジャーメイン 良による得点で待望の勝利を挙げた。
こうして見ると、一足先に悪い流れを断ち切ったのは広島のほうに違いない。だからこそ、今節が見ものに値する。ここから広島が再び上昇気流に乗るのか、あるいは湘南が4失点を発奮材料に変えてホームで意地を見せるのか。どちらの士気が相手を上回るのか、水曜日のナイトゲームを楽しみに待ちたい。
[ 文:河合 萌花 ]
