湘南にとって第1戦の勝利は、公式戦11試合ぶりの勝利でもあった。山口 智監督は「いろいろなことがあって、どうしても勝ちたい試合でした。最後、運もあったと思いますけれど、(90+2分に決まった決勝点は)全員の気持ちが、選手だけじゃなくて、スタジアムで背中を押してくれた人たちの思いも乗っかったゴールなのかなと思います」とファン・サポーターを含めて一丸となってつかみ取った勝利を喜んでいたが、そのあとにこう続けている。
「ただ、うれしいですけど、もう1つ(広島との第2戦が)あります。しっかりとした戦い方をして次に上がるというのが、このルヴァンカップの大きなタスクだと思っているので、浮かれることなく短い時間で用意したいなと思います」 まだ勝負は決まっていない。準決勝に進んでこそ大きな自信につながることは間違いなく、苦しい戦いが続くリーグ戦につなげていく意味でも、第2戦はとても大事な戦いになるだろう。
広島にとっての第1戦は、今季の公式戦で初めて3失点を喫するという、らしくない試合だった(※出場資格を有さない選手が出場し、没収試合となったAFCチャンピオンズリーグ2準々決勝第1戦・セーラーズ戦を除く)。先制しながらも逆転を許し、追いつきながらも終了間際に勝ち越されたという展開を含め、堅固に守れなかったところはしっかりと改善して第2戦に臨みたい。ミヒャエル スキッベ監督が「本当にアンラッキーな形で負けてしまいました」と総括しているように、特に3失点目は不運も多分にあったが、幸運なのはまだ取り返すことができる機会が残されていることだ。
第2戦も日本代表に招集された大迫 敬介、荒木 隼人、そして韓国代表に招集されているキム ジュソンは不在の中で戦うことになるが、百戦錬磨の塩谷 司と佐々木 翔がいて、第1戦で出場機会を得たチョン ミンギと山﨑 大地も実力者だ。彼らが第2戦もしっかり存在価値を見せてくれるに違いない。
広島が90分で勝ち上がりを決めるためには、2点差以上での勝利が必須となるため、攻撃陣の奮起が求められる中、キーマンになるのは第1戦でクオリティーの高さや非凡なセンスを見せて2得点を演出した中島 洋太朗か。広島が長い時間ボールを保持する展開が予想される中、中島 洋太朗はどんなプレーを見せていくのか。湘南はこの19歳MFに対して警戒を強めるに違いない。おそらく第1戦同様に最後の最後まで目の離せない展開になるだろうが、広島が勝ち上がりを決める結果になっているときは、きっと中島 洋太朗が眩い輝きを放っているはずだ。
[ 文:寺田 弘幸 ]
