2013年以来の優勝を目指す柏は、今季就任したリカルド ロドリゲス監督の下、ボールを保持しつつ選手がポジションを入れ替えながら適切な立ち位置を取る攻撃的なスタイルを標ぼう。明治安田J1でも快進撃を続けるチームは、今大会9試合で21ゴールを記録。準決勝の川崎F戦では第1戦を1-3で落としたあと、第2戦で4-1の勝利を収め、ドラマチックな勝ち上がりを見せた。
クラブとしても2013年以来のタイトル獲得に向けて士気は高い。その時期に柏U-15に所属していた古賀 太陽が「タイトルを獲ることで強いレイソルを取り戻したい」と語れば、ルヴァンカップでプロ初先発を飾った大卒ルーキーの中川 敦瑛も「(初先発となった3回戦・)山口戦があったからこそ、試合にも絡めるようになった。自分にとっても大きな大会だし、最後は自分のゴールで優勝という良い形で終えたい」と意気込む。
さらに、昨季は新潟で決勝に進出するも、チーム事情によってピッチに立てなかった小島 亨介は「チームのやり方は受け入れていた」としつつも、準優勝という結果には「とても悔しかったのを覚えている」と回想。今年はピッチに立ち、自らの手で王座をつかみ取れるか。
そして、2013年のヤマザキナビスコカップ(※当時の名称)決勝でゴールを奪った工藤 壮人氏がつけていた9番を受け継いだ細谷 真大は、「どんな形であれ自分が出たら点を取って勝たせたい」と話し、自身のゴールでタイトル獲得に導くつもりだ。
2022年大会の王者で、ミヒャエル スキッベ監督体制4年目を迎える広島は、オールコートマンツーマンで徹底的に人につく守備を披露。ボールを奪えばすぐさま縦に速い攻撃を仕掛けていくスタイルは、シーズンを重ねるごとに練度を増している。
その広島に今夏加入し、“リカルドレイソル”をよく知る男が木下 康介だ。今季リーグ戦での二度の対戦において、前半戦(第6節)は柏の選手として細谷 真大のゴールをアシスト。6月に広島へ完全移籍して迎えた後半戦での対戦(第31節)は、広島の選手として決定機に絡んだ。第31節の試合後には、古巣との対戦に「否が応でも気持ちが入った」と話していたほか、得点への意識について「量と精度を上げてゴールを取れるように頑張りたい」と強く語った。柏でも“仕事人”として輝きを放ったストライカーには、古巣対決でもある大一番でゴールを決め、タイトル獲得へと導く活躍に期待がかかる。
横浜FCと対戦した準決勝の第1戦で衝撃的なゴールを決め、今大会のニューヒーロー賞に輝いた中島 洋太朗にも期待が寄せられる。2009年に当時FC東京の米本 拓司が果たして以来となる、MVPとニューヒーロー賞のダブル受賞を狙っていく。
今季のリーグ戦で相まみえた2試合はいずれもドロー。2試合ともに激しさとスペクタクルさが強烈にぶつかり合う好ゲームだった。今季三度目となる対戦は、タイトルを懸けた大舞台。白黒つける一戦で、勝利を手にするのは――。
[ 文:藤井 圭 ]


