5月25日(日) 2008 J2リーグ戦 第16節
徳島 0 - 4 鳥栖 (16:04/鳴門大塚/2,553人)
得点者:12' 藤田祥史(鳥栖)、16' レオナルド(鳥栖)、25' レオナルド(鳥栖)、87' 石田博行(鳥栖)
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0-4。徳島は鳥栖に大敗した。しかし、である。このスコアだけを見た人が想像するであろう内容と、実際にピッチで繰り広げられたそれにはきっと大きな開きがあるに違いない。ゲームにおいて多くの時間でイニシアチブを握っていたのは、どちらかといえば実は敗れた徳島であった。
徳島は序盤から積極的なプレスを仕掛ける。阿部、石田、そしてダ・シルバらが鳥栖のボール回しに対して早い圧力をかけ、自由な組み立てを許さなかった。すると、それは鳥栖DF陣のミスも引き出し、たびたび高い位置でのボール奪取に成功。前半にはそこからダ・シルバが鳥栖GK・室と1対1になるなど決定機も掴み、徳島としては実践するプレスの効果を目に見える形として表せていた。
また、徳島は後方からのビルドアップについても悪くなかった。前半はJ初出場となった小泉が、後半は米田がコントローラーとなってボールを散らし、鳥栖のプレッシャーに臆することなくパスを繋いでチーム全体としての押し上げを遂行。ロングボール一辺倒で形さえ作れなかった前回対戦(9節)とは全く違う姿勢を選手たちは見せていたと言えるだろう。
ただ、そんな徳島も、守備におけるひとつの大きな欠点を露呈してしまったことが結果を遠ざけることに。その欠点とは、シュートレンジでのボール保持者に対する寄せの緩さ。喫した4失点は全てそれを見抜かれたように突かれたものであった。
まず12分、GK室から送られてきた1本の長いボールをペナルティエリア手前で藤田に受けられると、ほんのわずかに空いた間合いからフィニッシュを放たれネットを揺らされる。そして続く16分と25分には、全く同じようなシチュエーションで連続失点。ゴールまで約25mという距離でボールを持ったレオナルドに誰も詰め切れず、全くフリーな状態で豪快なミドルを叩き込まれた。
確かに鳥栖のシュートはどれも賞賛に値する見事なものであったが、最後に取られた4点目も1点目に近い状況。何度も同じ欠点を見せてしまっては徳島が勝機を失うのも必然だったように思われる。
「ボールを持っている相手に対してちょっと緩い感じがしていた。1点目は2人で対応していたにも関わらず結果的にシュートを打たれているし、2・3点目はボールに行っていなかった」と試合後に美濃部監督も振り返ったが、以前にも何度か課題として挙がっていたこの寄せの緩さ。再びそれを繰り返した徳島はその改善へ必至の取り組みをする他ないだろう。せっかく試合全体でアグレッシブなプレーが展開できても、こうした決定的な問題をきちんと解決していかなければチームの前進は遅れてしまう。「結果は出ませんでしたがチームに迷いはありません。同じ方向を向いて進んでいきます」と話すゲームキャプテン・西河を中心に一刻も早くそれを解決した姿を見せてもらいたいものだ。
対して、「まだまだゲームの作り方やボールの失い方の部分で納得のいかないことばかり」と岸野監督が語った鳥栖。確かに徳島のプレスに対してミスを発生させ、そこから幾度もピンチを招いたことは間違いなく反省点だが、そんな状況でもこれだけの結果を出せるのはさすがとしかいいようがない。特に組織として上手くいかない時にこうして個の一発の力で勝利を手繰り寄せられるのは強みだろう。とは言え、昇格レースを見据えればその個が厳しく抑えられるのは明らか。それだけに、指揮官の目指すチームとしてのさらなる成熟は今後に向けて不可欠となる。
第2クール初戦となったこの一戦、いずれにとっても満足の戦いとはならなかった。が、ハッキリと課題が出た反面、逆にいい部分も少なからず感じられたゲームとなったのは事実だろう。今後の両チームがこれをどのような糧としていくか注目していきたい。
2008.05.26 Reported by 松下英樹




































