富山、岐阜とも数多くの決定機があった。最後は今季の岐阜を引っ張ったMF染矢一樹の鮮やかなゴールで決着がついた。富山は今季の成長ぶりを随所に披露したが追加点を奪えず途中でペースを乱した。「サッカーは奥深く、尽きるところがない。ある程度できるようになると次の課題がまた見えてくる。常に未完成」と安間貴義監督。来季への糧とすべき苦い敗戦でシーズンを終えた。
今回7,805人が入場して富山の1試合平均入場者数は4,474人となり、2010年度の4,463人を上回って過去最多を記録した。
先制点は開始6分に富山がPKで挙げた。MFソ・ヨンドクのミドルシュートをGKがはじき、こぼれ球に詰めようとしたFW苔口卓也が相手DFと交錯してPKが与えられた。今季はPK失敗に泣かされてきた富山だが、今回はソが腹をくくってど真ん中に蹴り込んだ。
その後も流動的に動きながらパスをつなぎ次々とチャンスを創出。中盤でのボール奪取から素早く裏を突く、狭い局面をショートパスで打開するなど目指してきたかたちが表れ、ゴール前でも面白いようにパスが通った。しかし、12分に白崎凌兵から中央で受けた苔口のシュートがGKに阻まれたシーンをはじめ、この時間帯で追加点を挙げられなかったことが後で響いた。
岐阜はシンプルに前線に送り、染矢のスピードやFWバージェのキープ力を生かす攻撃で徐々に盛り返す。22分には左サイドでボールを追い越す動きを繰り返して相手を押し込み、MF益山司のクロスにバージェが飛び込んで惜しい場面をつくった。
富山は裏を狙う動きが少なくなり、後ろでのパス回しが増えた。途中でミスが出ては相手のカウンターアタックを受けるかたちになり、相手にペースを握られた。この流れで岐阜は30分に同点とする。DF野垣内俊のロングスローをバージェが落とし、染矢が加速して左サイドを突破。クロスに2人が飛び込み、そのこぼれ球を富山DF平出涼がクリアミスしてオウンゴールとなった。
後半は攻め合う展開。富山は立ち上がりにMF舩津徹也のミドルシュート、DF木村勝太の攻撃参加から白崎のヒールパス、苔口のドリブルからのシュートなどで見せ場をつくる。同14分にも白崎がドリブル突破からシュート、16分には木本のクロスに白崎がヘディングで合わせるなど好機をつくるが決め切れない。一方の岐阜も同5分にカウンターから染矢がシュート、19分にMF柴原誠からのクロスを益山が狙う。同27分にはバージェが相手DFのヘディングでのバックパスを奪って絶好機を迎えるが得点できなかった。
残り15分を切って次の1点が勝負を決める様相に。中盤でセカンドボールをよく拾った岐阜が押し気味となり、同32分には右からのクロスにこの日が引退試合となるMF服部年宏が合わせる。シュートはゴール右に外れたが岐阜側の観衆が大きく沸いた。直後にはMF樋口寛規のクロスに染矢が詰めたがGK正面。この時に右こぶしでピッチを3度叩いて悔しがった染矢が同40分に決勝ゴールを挙げる。服部からの浮かせたパスで野垣内が左サイドを突破し、中央で受けた染矢がコントロールされたシュートをゴール右上に決めた。ゴール裏へまっすぐに駆けた染矢。富山まで足を運んだ多くのサポーターが歓喜する。前節まで残留を争った日々は重苦しいものだったろう。喜びの大きさがそれを物語っていた。8試合ぶりの勝利でシーズンを締めくくった。
終盤にきて好調だった富山だが、押し切ることができず今季2度目の逆転負け。「サッカーは甘くはない。よい時間帯には違いはみせられたが、僕らのサッカーをやり切ることができなかった。今のカターレを象徴するような試合だった」と白崎は話した。
以上
2013.11.25 Reported by 赤壁逸朗
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