東京Vと栃木SCは、一昨季までJ2を舞台にして戦ってきた。2018年から2023年までの対戦成績では、7勝4分1敗と東京Vに分が良いデータが残っている。直近の対決である2023年の明治安田J2第41節は、深澤 大輝が退場となった中で東京Vが終盤にゴールを決めて1-0と勝利。この1勝がJ1昇格に大きく作用したことは、東京Vサポーターならよく覚えているだろう。
また、栃木県出身の稲見 哲行にとって栃木SCは思い入れのあるクラブで、2023年に栃木SCのホームで行われたJ2第16節では決勝ゴールを挙げ、そこから出場機会を伸ばすなど、良い思い出が残っている相手でもある。
東京Vは、JリーグYBCルヴァンカップを1つのターゲットとして見据えていた中、柏と対戦したプレーオフラウンドで敗退。この天皇杯に向けてはそこからのリバウンドメンタリティーが求められている。8日に行われたプレーオフラウンド第2戦で途中出場だった森田 晃樹や平川 怜、山見 大登といった選手はこの試合に向けて準備しているはずで、カップ戦制覇に向けたスタートとしては気持ちも入っているだろう。
注目したいのは若手選手など、これまで出場機会の少なかった選手たちのアピールと躍動だ。
前述のプレーオフラウンド第2戦・柏戦で途中出場しながらも悔しい思いでタイムアップの笛を聞いた白井 亮丞は、一昨年度の天皇杯3回戦でFC東京を相手にゴールを挙げた、東京Vアカデミー出身で期待のストライカー。その得点感覚には期待がかかる。また、昨季まで明治大で攻撃の中心を担っていた熊取谷 一星も、ここで大いにアピールしてリーグ戦の出場機会増につなげたい。ドリブラーでありシュート力もパワフルな川村 楽人も、腕まくりしてピッチに立つ瞬間を待っている。
一方の栃木SCは、現在J3で9位。第14節・讃岐戦まで4試合負けなしでいたものの、7日に行われた第15節では北関東のライバルである群馬にホームで0-1と苦杯をなめた。その試合で出場停止だった大森 博は悔しい思いをこの試合にぶつけることになるかもしれない。
また、リーグ戦では途中出場が続いているレジェンド的な存在、41歳の矢野 貴章も健在だ。ハイボールにも強いワールドカップ出場経験者は今季のJ3でも2ゴールを挙げている。J1クラブ撃破に向けて、モチベーションも上がっているはずだ。
率いるのは、百戦錬磨の小林 伸二監督。昨季途中から監督となり、無念のJ3降格後も継続して指揮を執っている。2001年からJリーグ各クラブで監督など歴任してきた名伯楽は、年々戦術眼などもアップデートしており、64歳の現在もアグレッシブにチームを率いている。
東京Vの城福 浩監督も同学年の64歳。J1では最年長監督となっている。Jリーグを支えてきた経験豊富な指揮官同士の対決も見どころの1つになりそうだ。
東京Vは中2日、栃木SCは中3日。その連戦の中で指揮官はどんなメンバーをピッチに送り出すだろうか。そしてその結末やいかに。
[ 文:田中 直希 ]
