その広島は、公式戦8連勝中と絶好調。7日に行われた天皇杯準々決勝では、C大阪を相手に劣勢の展開となって先制を許したものの、終盤に2ゴールを決めて劇的に勝ち切った。決勝点は、森島 司による魂のスライディングタックルから、きら星のごとくこのところ活躍している川村 拓夢が決めて歓喜に沸いている。
新型コロナウイルス感染症の陽性判定者がいたことに加えて、負傷離脱者も出ている。それでも、C大阪戦のように勝ち切れるのだから、川崎Fの鬼木 達監督が「いま一番勢いがあると言っていいチーム」というのもうなずける。
高い位置から連動したプレッシャーを掛けて、森島、野津田 岳人、松本 泰志といった運動量豊富な中盤の選手たちがボールを奪い取り、前線のナッシム ベン カリファ、ドウグラス ヴィエイラ、ピエロス ソティリウといった選手に届けていく。後方から勢いを持って攻め上がってくるサイドプレーヤーも含めて、厚みのある攻撃は魅力だ。
対して、川崎Fは激しいプレッシャーをかいくぐった上で、強みとなっている家長 昭博、脇坂 泰斗、そして山根 視来のいる右サイドを中心に攻略していく。フィニッシャーは知念 慶や小林 悠、それに現在9得点で得点王も視野に入る左ウイングのマルシーニョだ。
「相手の戦い方は素晴らしいが、より自分たちのチームにフォーカスして、そこに惑わされずに、自分たちのやるべきこと、自分たちのサッカーを推し進めることですね。それで上回りたいし、(相手の勢いを)止めなくてはいけないという思いがあります。(自分たちは)昨季のチャンピオンかもしれないが、チャレンジャーとして戦う姿勢を見せなければならない試合だと思っています。自分たちに目を向けて戦いたいと思っています」 鬼木監督はそう言ってこの試合に向けての川崎Fとしての考え方を明かしている。中盤の要人となっている橘田 健人も「優勝するためには、ここで倒すことが必要。ここで負けてしまえば、相手を勢いに乗せてしまう。残りの試合は全部が大事だけど、特に広島戦は大一番になると思う。何がなんでも勝点3を取れるようにやっていきたい」と強い言葉を発した。
7日の代替開催試合で勝った横浜FMが再び首位に立ち、川崎Fは3差、広島は2差。終盤戦では優勝争いに絡む上位直接対決がないため、これが大きな分水嶺となることは明らかだ。
自由席運用の再開もあり、スタジアム人員100%収容でチケットも販売されている。また、この試合は『26(フロ)周年記念・タイ王国大使館全面協力「抱きしめタイ!」』というイベントも開催。盛り上がること間違いなしの試合は、10日18時30分キックオフだ。
[ 文:田中 直希 ]


