「やっと、という感じ。今年はオフシーズンが長過ぎて、その間にW杯もあった。自分は観る立場だったのでずっとウズウズしていたし、早く試合がしたい」 カタールW杯での日本代表の戦いに元気や勇気をもらったのは選手たちも同じだ。大迫は新シーズンを見据え、こう語っている。
「しっかりとチームで試合に出場して、高いパフォーマンスを発揮していきたい。それでチームとして今年も1つ成果を上げたいと思っていますし、その延長線上で代表も狙っていきたい」 選手それぞれが決意を新たにして臨む2023シーズンは一試合一試合で熱い攻防が繰り広げられていくに違いなく、今季は広島にとって1993年のJリーグ開幕初期から約30年間をホームスタジアムとして戦ってきたエディオンスタジアム広島で戦うラストイヤーになる。
2024年からは現在建設中の新スタジアムでの戦いが始まるため、クラブも『ありがとう、エディオンスタジアム広島。』とキャッチフレーズを掲げた。J1優勝やJ2降格など、数々の歴史と思い出が詰まったホームスタジアムに感謝しながら未来へつなげるシーズンになる今季は、エディオンスタジアム広島で繰り広げられていく一試合一試合のドラマからも目が離せない。
チームはミヒャエル スキッベ監督体制2年目を迎え、タイトル獲得を目指してスタートを切る。オフには主力選手と契約を更新して現有戦力を維持した上で、ピンポイントで補強。秋田からGK田中 雄大が加入し、福岡から左サイドプレーヤー・志知 孝明を獲得。有力なルーキーたちも加わり、チームの底上げが図られている。
サンフレッチェファミリーの期待も高まる中で迎える今季、背番号が『11』になった満田 誠は開幕戦への意気込みを力強く語っている。
「やっぱり1年間を通して戦うリーグ戦のタイトルを獲りたい思いが一番強い。まずは開幕戦が大事になってくると思っている」 一方、エディオンスタジアム広島に乗り込んでくる札幌は、ペトロヴィッチ監督体制6年目のシーズン。かつて広島でも指揮を執ってエディオンスタジアム広島で苦楽をともにしてきた指揮官が率いるチームは、攻撃陣にも守備陣にも実力者が加わってベースアップが図られている。ゴールマウスにはク ソンユンが戻ってきて、柏での挑戦を選択した高嶺 朋樹が抜けた中盤には経験豊富な小林 祐希が加入。また、最終ラインや中盤の底などでプレーする新進気鋭の馬場 晴也もチームの一員に。そして、興梠 慎三が浦和へ復帰した攻撃陣には広島から浅野 雄也が加入し、大卒の大森 真吾も加わった。
経験豊富な指揮官が率いて攻守に主体的なサッカーを展開する広島と札幌が対戦する開幕戦は、さっそく激しい90分間になるに違いない。先に仕掛けるのはどちらなのか。まずは最初の15分間に注目したい。
[ 文:寺田 弘幸 ]