3月の終わりにマチェイ スコルジャ監督はこうも語っていた。
「ACL決勝までは、できるだけ(現在の)ベストメンバーを替えずに戦っていきたいですし、あまり実験的なことはしたくないと思っています」 1月6日の始動からここまでのチーム作りは、ACL決勝を念頭に置いたものだった。そのため、大部分のメンバーは固定され、沖縄キャンプで出遅れた選手たちに序列を覆すチャンスはなかなか訪れなった。ACL準決勝まで主力として活躍した岩波 拓也は、決勝の2試合はメンバー入りしながらも出場なし。
「喜びはもちろんありますけど、悔しさのほうが大きいです。本来のレギュレーションであれば、決勝戦は去年行われていて、あれだけの試合に出場して決勝戦に出られないのは悔しさがあります。そこは自分の中で押し殺しながら、このタイトルは自分がここまで連れてきたんだと胸を張りたいと思います」 悔しさをかみしめながら、岩波は巻き返しを誓う。ACL得点ランキングの上位に入りながらも、外国籍枠の問題や直近のコンディションで決勝はメンバー外となったダヴィド モーベルグなども、虎視眈々と自らの力を再証明する機会をうかがっているだろう。今節は新たなチームの再出発であるとともに、そうした選手たちの逆襲が始まるゲームにもなりそうだ。
一方、埼玉スタジアム2002に乗り込む鳥栖はなかなかエンジンがかかってこない。横浜FM、川崎Fと手ごわいチームが相手だったとはいえ、ゴールデンウィークに行われた2試合は連敗を喫した。しかし、直近の明治安田J1第12節・川崎F戦は敗れたとはいえ、接戦を演じた。「(守備では)少し形を崩しても相手陣内で奪い切ることを徹底してきました。それができた部分、チャンスになりそうな部分、相手にかいくぐられた部分と、さまざま出ましたが、全体的にも、メンタリティーの部分を含めて良かったと思います」と川井 健太監督も一定の手ごたえを得たようだ。本田 風智も後半を反省しつつ、「前半は自分たちの守備がうまくハマって、後ろで回収できて、うまくはがしながら前進できるところも攻撃ではあったと思います」とポジティブな面を強調。守備は悪くないだけに、リーグワースト3位となっている得点力の向上がカギになる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
