ホームのFC東京は4勝3分5敗の勝点15で11位。中位から抜け出せないでいる。明治安田J1第10節・新潟戦で今季初の連勝を飾り、波に乗るかと思われたが、その後は連敗。勢いを加速させるどころか、2ケタ順位に転落してしまった。
連敗という結果もさることながら、気になるのはその内容であり、敗れ方。前々節・福岡戦では相手の対策の前に攻撃陣が沈黙。90分を通じてシュートは前半に打った2本に抑えられ、0-1の完敗に終わった。そこから中2日で迎えた前節・札幌戦は攻守にミスが多く、チグハグな戦いに終始。前半のうちに3失点を喫すると、反撃を狙ったはずの後半立ち上がりに4失点目を奪われ、万事休す。その後、仲川 輝人が意地の1点を返すも、終了間際に致命的な5点目を献上し、1-5で失意の敗戦となった。
そんな流れで迎えるライバルとの一戦は、内容うんぬんではなく結果が求められる。国立競技場での特別な一戦で3連敗は許されない。そして何より、2018年のJ1第13節で勝利して以来、リーグ戦では過去9試合、年月にすれば5年以上勝てていない。この負の連鎖に終止符を打たなければ、川崎Fとの差は広がるばかりである。ここで“青赤”の力を証明しなければ、いつ証明するのだろうか。FC東京にとっては“越えなければならない”90分となる。
アウェイの川崎Fは、序盤戦こそなかなか白星が挙げられず、もどかしい時間を過ごしていたが、ここに来て4戦負けなしの3連勝中と本来の力を取り戻している。特に直近2試合は小林 悠、脇坂 泰斗といった決めるべき選手が決めての勝利。間違いなく上り調子だ。エースと伝統の14番を背負う男が仕事をし始めたら、チーム状態は自然と高まっていくもの。今節はテンション高く、国立競技場に乗り込んでくるだろう。
4連勝となれば、勝点も20台まで積み上がり、いよいよ上位グループの背中が見えてくる。開幕から試行錯誤しながら戦ってきた中で次第に安定感を取り戻し、役者も戻ってきた。ここでライバルクラブを叩くことは、これ以上ない上位追走の合図となる。4年間負けなしの“お得意さま”から3ポイントをもぎ取り、主役に躍り出る準備を整えたい。
現在、両チームが置かれている状況は対照的で、近年の成績にも差がある。しかし、そんな“過去”が関係ないのが、“多摩川クラシコ”。『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』と銘打たれた伝統の一戦を制し、最高の夜を迎えるのはどちらだ。
[ 文:須賀 大輔 ]


