中断期間を挟み、3週間ぶりの試合となる鳥栖は前節、アウェイで神戸と対戦。序盤から大迫 勇也、武藤 嘉紀といった神戸が誇る強烈な個に苦しめられるが、51分に富樫 敬真のPKで先制に成功。しかし、直後に追いつかれると、終盤にはロングカウンターから逆転を許し、連勝とはならなかった。
対する福岡は中断期間を挟み、2日に天皇杯ラウンド16で栃木と対戦。先制しながらも逆転を許す展開となったが、同点に追いつき延長戦へ。延長後半にルキアン、山岸 祐也が得点を奪って、2年連続の天皇杯ベスト8進出を決めた。明治安田J1では第15節から4連敗を喫したが、第19節・C大阪戦で勝利すると、そこから3連勝。二度挟んだ天皇杯でも勝利を挙げており、公式戦5連勝中と良い状態で“九州ダービー”に臨むことができる。
サポーターの思いを背負って戦う側面が強くなるのがダービーだが、福岡がJ1に昇格した2021年以降、公式戦での対戦成績は福岡が3勝4分1敗とリードしている。川井 健太監督が鳥栖の指揮官に就任した昨季以降は三度の対戦すべてで引き分けに終わっており、きっ抗した戦いが続いている。
普段は寡黙であり、ミーティングでもあまり強い言葉をかけない川井監督だが、ときおり“キャラ変”して強い言葉をかけるときがある。今回の“九州ダービー”も“キャラ変”のタイミングだった。
「ミーティングでは『(ダービーは)祭り』だという話をしました。時期的にもさまざまな場所で夏祭りが行われていますが、あそこで神輿をかつぐ人たちって本当に真剣だと思います。僕らスタッフは神輿を作る立場で、選手たちに神輿をかついでもらわないといけない。あとはゴールというものを設定すると、福岡さんと神輿をどちらが早く通過できるか。かつ、それを観に来てもらうのが祭りなので。そういう人たちをどれだけ満足させられるか。僕は田舎者なので、そういう話を今回はしました」 「祭り」と「神輿」をキーワードに、川井監督はこのダービーの重要性を選手たちに働きかけた。長沼 洋一が「どの試合も同じくらいの気持ちで戦っているつもりですけど、よりサポーター同士のバチバチ感であったり、同じ九州のクラブ同士で負けられないという気持ちみたいなものは全員が持っていると思うので、勝ちたいですね」と話せば、河原 創も「結果が重視されるのがダービーかなと思います。次の試合は内容よりも結果が一番だと思っています。独特な雰囲気を作ってもらえると思うし、今回はホームなのでしっかり勝ち切りたい」と話しており、サポーターへの思いが勝利への希求心を強くしているようだ。
勝ったチームが上に行くという熱くなれるシチュエーションで迎える“九州ダービー”。サポーターの熱い思いに勝利で応えるのは鳥栖か、福岡か。
[ 文:杉山 文宣 ]
