3試合ぶりにホームでの戦いとなる鳥栖は前節、アウェイでFC東京と対戦。立ち上がりから試合を支配して優勢に進めると、18分に長沼 洋一が先制点を決める。さらに32分には富樫 敬真がPKを決めて加点。最後に勝利した明治安田J1第20節・C大阪戦以来8試合ぶりの複数得点となり、勝利を大きく手繰り寄せたかに思えたが、後半に入ると試合は一変。ホームの声援を背にギアを上げたFC東京に54分、59分と得点を奪われ、試合は振り出しに戻されてしまう。その後は一進一退の攻防が続いたものの、決定機をモノにすることができずにいると87分、セカンドボールを相手に拾われたところから素早く仕掛けられて決勝点を奪われてしまった。これで勝ちなしは『8』に伸び、順位は15位にまで後退することになってしまった。
対する京都は前節、ホームで広島と対戦。ハイプレスとカウンターという武器を持つチーム同士の対戦となっただけに、攻守が目まぐるしく入れ替わるハイテンポかつスピーディーな試合が展開された。その中でチャンスを数多く作ったのは広島だったが、京都は最後の局面では体を張って得点を許さない。52分にスローインから右サイドを突破した山﨑 凌吾がクロスを上げると、そのこぼれ球に反応した豊川 雄太が左足で鮮やかなミドルシュートを突き刺して先制に成功。追いつこうと攻勢を強める広島に再三チャンスを作られたが、最後まで体を張って守る集中力は途切れず。逃げ切って広島から実に14年ぶりの勝利を挙げた。
両者による前回対戦は4月に行われた第9節。このときは京都が21分に豊川の得点で先制したが、直後に小野 裕二のゴールで鳥栖が追いつく。さらに32分にはオウンゴールで鳥栖が逆転に成功し、41分には本田 風智にも得点が生まれた。前半だけで3点を奪った鳥栖が京都の反撃を試合終了間際のPKによる1点のみに抑えて、逃げ切った。
ともに高強度を持ち味としているだけに、球際の攻防やセカンドボール争いでの優劣が、そのまま試合の主導権争いの優劣に直結するだろう。「ボールを持っていないとやっぱりゴールにはできないし、どっちのボールでもないボールを自分たちのボールにしていくのが勝利に近づくための道だと思う」と岩崎 悠人は話したが、それは京都も同じ思いのはず。両者のバチバチ感はエキサイティングな展開を生むはずだ。
鳥栖が警戒したいのは豊川だ。駅スタ(当時はベストアメニティスタジアム)でJリーグ初得点を挙げた九州男児は現在、鳥栖戦では2試合連続ゴール中。駅スタで行われた昨季の鳥栖戦ではチームを勝利に導く決勝点を挙げており、“鳥栖キラー”の雰囲気も漂い始めている。鳥栖としてはしっかり抑えたい存在だ。
鳥栖は15位に転落したものの、勝点差は詰まった状態で1勝すればジャンプアップも可能な状況。ホームの声援を力に変え、勝ちなしに終止符を打ちたい一戦となる。
[ 文:杉山 文宣 ]
